
まずは「服装」。スーツとネクタイの着用が望ましい。店の制服やジャケットなど少しラフな印象を与える格好のときは「取るものも取らず急いで来たので」というニュアンスの説明を必ず付け加える。
訪問時間を決めているときは当然、時間を厳守。Aさんの場合、1分前になったらインターホンを鳴らす。名刺を持っていくのも大切で、クレーム客が不在の場合には、メッセージを名刺の裏に書いて郵便ポストなどに入れて帰る。これをしない店長が結構いて、不在宅を訪ねて、謝りに行ったつもりになっているから、後で話がこじれてしまう。
お辞儀の角度は、普通に謝れば済みそうな場合は45度。ものすごく怒っていたら90度。細かい話だが、こうした何気ない気配りが、相手の怒りの炎に油を注がない防衛策として効いてくる。そして訪問時には玄関前で応対し、可能な限り中に入らないようにする。
Aさんに言わせれば、自宅に来いというのはまだましで、やっかいなのは自宅以外の場所を指定されるときだ。自宅を知られたくない(やましいことをしている)クレーマーや暴力団関係者の可能性もあるという。身の危険を感じる相手のときは第三者の目があるファミリーレストランなどで面会する。事前に近くの交番に立ち寄って、事情を伝えておくと安心できる。
○月△日夕方
とにかく
メモせよ
謝罪も交渉ごとだ。相手の出方次第で対応を変えざるを得ないときもある。
お客様相談室担当のベテランBさんは、封筒に入れた現金や自社商品券を右ポケットに500円分、左ポケットに1000円分、胸ポケットに3000円分といった具合に分けて入れておいて、話の流れでクレーム客に渡す金額を変えることもあるそうだ。
先日の話をすると、Bさんは「相手の怒りを鎮める話の聞き方」を教えてくれた。それはメモを取るというものだ。店内でも自宅訪問時でも、クレーム客が店の非を指摘する間、話を聞きながらうなずき、メモを取り続ける。
メモを取るという行為で、真剣に話を聞いているという気持ちが相手に伝わり、とても良い印象を与えることができるからだ。どんな相手にも分かりやすく店の誠意を示せる役立つ謝罪のテクニックだ。
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