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クレーム担当者の奮闘日記

心理学で考えるクレーム対応

やっかいな相手とのトラブル事例

2010年5月20日

イラスト=蛭子 能収

○月×日午前
不思議な
トラブルの数々

【ケース1】ある外食チェーンのお客様相談室に、もう数年にわたって電話をかけてきて、店について根掘り葉掘り質問する人がいる。電話をしてきては、毎回同じような質問をする。説明中は口調も普通なのだが、「もうお話をすることはないので、電話を切らせてください」とお願いすると、なぜか激怒する。電話を切ってもかけ直してくるので、やむを得ず、電話の音声を消して気が済むまで話をしてもらっている。

当然、誰も話を聞いていないのは分かっていると思うのだが、それは気にならないらしい。気が済むと勝手に電話を切るそうだ。その人の電話番号を着信拒否に設定することを検討中だ。

【ケース2】接客時の店長の態度が気に入らないということが発端で、原稿用紙20枚以上にわたって当日のやり取りと改善要求案を書きつづり、本社に郵送してきた人がいる。その後、お客様相談室の担当者が話し合いの機会を持ったところ態度が一変。「誠意ある対応だ」と褒めたり、トラブルがあった店のスタッフに来店時にねぎらいの言葉をかけてきたりするようになったそうだ。

しかし、その後再び店の対応に気に入らない部分があったらしく、今度は厳しく店の対応を非難したうえで、経営トップ自ら返事を寄こすようにと要求するメールを送ってきた。この人物の激しく変わる態度にチェーン側は困惑している。これ以上の要求には応えられないので、何か新たな要求があれば、対応を打ち切ることになるだろう。

【ケース3】深夜、ある店に電話をかけてきて、「黙って聞け、メモを取れ!」と命令し、まったく別の店の入り口付近に置かれた自転車が邪魔なので撤去しろと要求したり(実際には、その店の入り口付近には自転車は置いてなかった)、「3カ月前に殴られたから謝罪しろ」などとウソをついて、周辺エリアの店に迷惑をかけたりしている人物がいるという。この人物には、お客様窓口担当者が店への入店禁止を言い渡した。スタッフのほとんどが顔を知っている“有名人”のため、入店しようとすれば、すぐに分かるという。

ちなみに、このチェーンのお客様窓口担当者は、累計100人くらいの問題行為があるお客に入店禁止を言い渡してきたという。それで各店に風評被害などマイナスの影響が及んだことはないそうだ。

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