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魚を巡るホントウの話

「関アジ」が美味しさや 鮮度を保てるワケ(後編)

2010年6月21日

(前編はこちら

(前編のつづき)

活け締めは、生簀から上げた直後に包丁で脊髄を切断し、血を抜き、氷を入れた海水で冷やすという、技術と手間が必要な処理だ。これら一連の取り組みにより、魚を傷つけたりストレスをかけることなく、美味しさと新鮮さを保ったことで、関アジのブランド化が確立した。あまりの人気で偽物が出回るようになったため、97年には関サバとともに商標登録し、漁協が作成したシールが1匹ずつ貼られることとなった。

スズキ

スズキ

スズキは、ブリ、ボラとともに出世魚と呼ばれる魚で、関東では1年魚をセイゴ、2年魚をフッコ、3年魚をスズキと呼ぶ。日本各地に特有の出世名があるのは、スズキが小さいものから成魚になるまで、どの段階でも好まれて食べられる魚ゆえだ。

中国大陸沿岸に分布するタイリクスズキは、中国から輸入した種苗によって四国、九州などで養殖されているが、台風などで生簀が壊れて逃げ出したものが自然界で生育し、近年は各地で釣れるようになってきた。水域によっては日本のスズキの生育場所を奪い、問題を起こしている。

坂本 一男

水産学博士。水産物市場改善協会・おさかな普及センター資料館館長。魚のエキスパートを育てる日本おさかなマイスター協会の講師

文=芦部 洋子