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食の未来は大丈夫か?

次に来るのは「水問題」

2008年6月2日

文=田中 栄、馬渡 晃

農作物輸入は「水」を輸入すること

日本だけでなく、いま世界中で食料問題が話題になってきている。6月には国際連合食糧農業機関(FAO)が、サルコジ・フランス大統領など世界のトップを招いて、ローマで「世界食料安全保障」という会合を開くほどだ。

だが、食料問題は、もう一つの大きな問題の前触れに過ぎないかもしれない。それが「水問題」である。

現在、地球に存在する水のほとんどは海水である。淡水は全体の2.5%に過ぎない。しかもここで言う淡水には南極の氷なども含まれており、人間が実際に使用できる水は、水全体のわずか0.008%。約10億km3だ。

ただし量だけで言えば、世界の人々の必要量を賄うには十分である。問題はそれが地域的に偏って存在していることだ。実際、世界各地で水を巡る紛争や水危機が起こっている。

例えば、北米の五大湖では、灌がいなどの大量取水で水位が下がっているし、アジアの大河、メコン川流域では、中国、ミャンマー、ラオス、タイ、カンボジアなどが水利権を争っている。水が乏しい地域だけではなく、水が豊かと言われた地域にも問題が広がっているわけだ。

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