「日経レストランONLINE」は、「日経レストラン」の休刊に伴い、3月末日をもって更新を休止することになりました。長らくご支援を賜りました皆様に厚く御礼を申し上げます。

食の未来は大丈夫か?

狭い定義をせず、幅広いスタンスで日本食の海外普及を図りたい

2008年8月11日

キーパーソン・インタビュー/茂木 友三郎
聞き手=加藤 秀雄

茂木 友三郎(もぎ・ゆうざぶろう)
キッコーマン会長

1935年千葉県生まれ。58年慶應義塾大学法学部卒業、キッコーマン入社。95年同社代表取締役社長兼CEO、2004年代表取締役会長兼CEO。07年日本食レストラン海外普及推進機構理事長就任。米国コロンビア大学の経営学修士であり、キッコーマンの海外展開をつぶさに見てきた。

● 本日はキッコーマン会長としてだけでなく、日本食レストラン海外普及推進機構(JRO)理事長として、日本の食文化の海外普及についてのお話もおうかがいしたいと考えております。まず、JRO発足の経緯といったことからお聞かせ願えますでしょうか。

茂木 友三郎氏

茂木 「日本食レストラン推奨計画」というのを提言した海外日本食レストラン推奨有識者会議(座長:小倉和夫国際交流基金理事長、元駐仏・駐韓大使)が出来るきっかけとなった、食文化研究推進懇談会というのがありまして、私がこの会長を仰せつかったのです。これは小泉元首相のお声掛かりで、日本の文化を海外に発信しようというので、内閣に知財本部というのを立ち上げまして、日本のあらゆる分野での文化を、各省ごとに海外に発信する。その食文化部分を官庁から離れて、民間でやったのがこの懇談会です。メンバーには小山裕久「青柳」主人や三国清三「オテル・ドゥ・ミクニ」オーナーシェフといった、料理人であり料亭やレストランの経営者、熊倉功夫国立民族学博物館名誉教授、香川芳子女子栄養大学学長、辻芳樹辻調理師専門学校理事長、岩田三代日本経済新聞社編集委員といった学者や教育、マスコミ関係者、食品メーカーからは山口範雄味の素社長など、幅広い方に入っていただきました。

● そこでどんな議論がなされたのでしょうか。

茂木 日本食レストランが海外にたくさん出来ているが、日本料理を本当に知らない人たちが作ると危ないのではないか、ちゃんとした日本食を食べて欲しいということでした。これを農林水産省が取り上げ、有識者会議に受け継がれて議論が進んだのですが、その中で「海外の日本食レストランに対し認証制度を作ろう」と主張した方もいらしたようです。これが米国のメディアに取り上げられ、「日本は政府が外国にまで来て、そんな認証をするというのはけしからん」という話になってしまったのですね。

Next: あくまでも地元主導で日本食の「推奨ガイドライン」を作る

次のページへ