「日経レストランONLINE」は、「日経レストラン」の休刊に伴い、3月末日をもって更新を休止することになりました。長らくご支援を賜りました皆様に厚く御礼を申し上げます。

クレーム・トラブル

店内でお客が持ち物を紛失したらどうする?

2006年1月23日

焦ってその場で解決しようとせず、翌日連絡を

飲食店でよく起きるトラブルに、お客の持ち物が店内で「無くなる」という紛失事故がある。遺失物が高価なものだと、お客の弁償要求も強くなりがちだ。

ある弁護士によると、法律的には「店側が入店の際、『預かります』と言って、保管して紛失した場合以外は、原則的に弁償義務はない」という。一般的に、飲食店側は弁償要求を断れると考えてよい。

だが、要求をむげにつっぱねるのは考えものだ。「冷たくあしらうと評判や信用にかかわる。弁償義務はなくても、納得して諦めてもらえるよう誠意を持って対応すべき」と、ある大手の居酒屋チェーンは話す。

このチェーンでは、トラブルに対して一定のマニュアルを設けている。クレームが生じたら必ず店長が対応し、「数日待ってほしい。別のお客が間違えた場合は連絡が入るはずだから」と話しているという。

その場で弁償について話し合うと、お客は酔って興奮していることもあるので、話がこじれやすい。数日、間を置くことで相手も落ち着いて、話がしやすくなるし、高価な物でなければ諦めることも多い。

間違えたお客から連絡があれば問題は解決するが、結局見つからず、失くしたお客がどうしても諦めきれず店に文句を言ってくる場合は、「当店でご不快な思いをさせてしまったことは確かです。申し訳ありません」と、割引券や見舞金を渡して解決する方法もある。ただし、店に非があるわけではないのに見舞金を渡すと、見舞金狙いの詐欺を誘発する恐れもあるので、むやみに支払わない方がよい。

店としてできる最善の対応をしてもなお引き下がらないお客もいるが、それ以上は絶対に譲歩せず、「いざとなったら、裁判になっても」ときっぱりした態度で話し合いに臨む。

ただ、あまり「店側」に正当性があると思い込んで話をすると、相手の態度が硬化し、良くない評判を立てられかねないため、交渉に臨む責任者は硬軟をうまく使い分けることが大事だ。

(日経レストラン編集部)