「日経レストランONLINE」は、「日経レストラン」の休刊に伴い、3月末日をもって更新を休止することになりました。長らくご支援を賜りました皆様に厚く御礼を申し上げます。

クレーム・トラブル

現金不足が頻発する。従業員が犯人か?

現金管理を厳格に。「不正を許さない」という態度が重要

2006年12月7日

5000円、1万円程度の現金不足でも、放置しておくと往々にして、従業員による数百万円単位の大金持ち逃げという大事件に発展するものだ。現金不足が発生した場合は、すみやかに原因を特定し、対策を講じる必要がある。スタッフを最初から疑ってかかるのではなく、盗難が起こらないような仕組みと、万が一起きたときの対応策を考えておくことが重要だ。

現金不足が見つかった時は、まずすぐに従業員全員に告知すること。スタッフとの信頼関係を壊すのではないかと、うやむやにする経営者も多いが、黙って見過ごすとますますエスカレートする可能性が高いからだ。

ただ、従業員を集めて身体検査をするなど、大騒ぎをするだけでは、効果は薄い。現金を着服するような人間は様々な策を弄するもの。誰かが目撃していない限り、犯行の立証も難しいのが現実だ。

まずは、自分が現金の不足に気付いていることを、朝礼などを通じて従業員に伝え、不正は絶対許されない行為であることを全員に浸透させる。現金不足が発生している時間帯を調べ、シフト表と付き合わせれば、犯人の目星は付くから、理由を作って従業員全員と面談し、目星をつけた人だけに、現金不足の話をするのも手だ。

現金の着服は、店がきちっと現金管理のルールを作っていれば、ある程度は防ぐことができる。

基本は、まず伝票に通し番号を打つこと。売上金着服の常套手段は、伝票を抜き、その分の現金をレジから取ることだが、伝票に通し番号があるとやりにくくなる。あとから売上金とチェックする時も便利だ。従業員には「税務署に、売り上げを正しく示すため」と話せば説明しやすいし、「売り上げは絶対ごまかさない」という意思表示にもなる。

レジに関しては、信頼がおける数人のベテランスタッフにだけお金を管理する権利を与える体制が望ましい。1人だけに任せるのではなく、相互チェック機能を持たせるわけだ。その上で、過不足金がないかをチェックし、毎日報告させる。常に目を光らせて管理していることを従業員に伝えることで、「魔がさす」こともなくなり、犯罪の予防にもなる。

実はこうした従業員の着服は、経営者の意識とも関連している。経営者自身が、会合の飲食代金として、レジに入っている売上金を持ち出すといったことを繰り返していると、それを見ていた従業員のモラールは低下して当然。経営者自身が普段から金銭管理に厳しければ、従業員も盗む気が起こらない。

様々な対策を試みても盗難が減らない場合は、どうするか。その場合は店の中だけで穏便に済ませず、警察に連絡して調査を依頼するのがよい。

ある程度、目星がついていれば、その従業員に因果を含めて、店を辞めてもらうしかないだろう。注意をしても現金不足がなくならないとしたら、着服がクセになっている可能性が高いからだ。店を辞めてもらう時は、担当の時間帯に現金不足が多発していることを話し、「ちょっとミスが多過ぎるから」と話せば、相手は察する。これまでの不足金は、退職金代わりに弁償しなくていいと譲歩すれば、穏便に解決するものだ。

現金商売である以上、従業員に誘惑はつきもの。店側の隙が盗難を働かせてしまったとすればお互いに不幸だ。きちんとした現金管理の仕組みを作っておきたい。

(日経レストラン編集部)