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クレーム・トラブル

ネット上の誹謗中傷に対抗するには?

まずはネットで反論。ひどいようなら法的措置の検討も。

2007年5月14日

例えばネット上の匿名掲示板で、自分のラーメン店に対して「スープがインスタント」とか「まずい」などと書き込みされたとする。この二つはマイナス情報である点は同じだが、取るべき行動は違う。

まず、基本的な考え方として、中傷があまり悪質でない場合は、ネット上で正々堂々と反論した方が得策だ。イメージが生じるような書き込みに対しては、その書き込みがあった掲示板や自店のホームページで反論することを考える。ネットは「オープン」で「フェア」な場。逆にこれを利用するわけだ。

まず、「スープがインスタント」とい書き込みについて。実際は店で作った独自のスープを使っているなら、事実と異なる中傷ということになる。もし書かれた内容に根拠がなかったり、単なる事実誤認である場合は、自らの取り組みを丁寧に説明し、必要であれば、意見を戦わせるのがまず採るべき方法といえる。

一方、「うまい」「まずい」は主観の問題で答えがない。したがって、「うまい」ラーメンを作るためにいかに配慮しているかを訴えよう。味に対する思いを主張すれば、閲覧者の共感を集められるし、「まずいかどうか、食べに来て」と書けば客数増につながる可能性もある。ただ、言葉遣いによっては、議論がエスカレートしたり、逆に相手から訴えられることもあるので、ネットで主張や発言をする場合は言葉を選んで慎重に行うべきだ。

文章表現が下手でも心配無用だ。むしろ、とつとつと気持ちを素直に書いた方が閲覧者の共感を集め、応援団が現れるものだ。通常、「反論した」という事実だけでそのページの注目度は上がる。そこでどんなパフォーマンスをし、ファンを増やすかは経営者次第。被害者意識ばかりを持ったり、情報をつぶそうとするのではなく、それをプラスの方向に変える過程を楽しめるタフさが、ネット時代には要求される。

しかし、中傷がひどくなるようだったら、その掲示板があるプロバイダーに相談するべきだ。2002年5月、「プロバイダー責任法」が施行された。これはプロバイダーやWebサイトの運営者の損害賠償責任の範囲を明確に規定することによって、業者が自主的に悪質な情報を削除することを容易にした法律だ。

被害者が掲示板の削除をプロバイダーに申し立てると、プロバイダーが情報の発信者に連絡し、7日以内に発信者から反論がなければ、プロバイダーの判断で削除できることも明文化されている。

発信者から反論があって、掲示板上の発言を削除できなかったら、発信者本人にアプローチする段階になる。具体的には、相手に今までの中傷の削除を求める警告文を書くことになる。発信者の氏名や住所はプロバイダーに問い合わせよう。プロバイダー責任法では、被害者は正当な理由がある場合、プロバイダーに発信者の情報開示を求められるとしている。

警告文は内容証明郵便で、手紙が配達されたことを証明してくれる配達証明を付けて発送する。最低1200円ほどかかるが、相手にこちらが本気であることをアピールできる。もし金銭的に余裕があるなら、弁護士に警告文の執筆を依頼すると、受け取った側のインパクトはより大きくなり効果的だ。

それでも中傷がやまないようなら、訴訟などの手段に出るしかない。弁護士の相談料は、日本弁護士連合会の規定により、最低でも30分5000円はかかる。金銭的に不安があるなら、予算を伝えた上で相談すればよい。

ステップ1:ネット上で反論する
ステップ2:プロバイダーに削除を依頼する
ステップ3:内容証明郵便で警告文を送る
ステップ4:弁護士に依頼する

(日経レストラン編集部)