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衛生・クレンリネス

お客に喜ばれるトイレとは?

2005年12月19日

アドバイス:におい対策は必須。もてなしの場としての配慮も重要

トイレの悪臭には、小便から発生するアンモニアのにおいと、大便からの硫化水素のにおいとの2種類があり、悪臭対策も、小便と大便との両方が必要となる。

小便から発生するにおいは、掃除をこまめにしないことが原因になることが多い。特に洋式便器や和式便器は、構造上、男性には用が足しにくく、周囲に飛び散りやすい。小便が床のタイルの目地などに入ったままにしておくと、小便に含まれるアンモニアが染み込み、悪臭の原因となってしまう。単純なようだが、においを予防する確実な対策は、専用の男性用小便器を設けることだ。

小便を毎回、洗い流すことも大切な悪臭予防策だ。小便器がセンサー方式の自動洗浄弁タイプであれば、問題はないが、ボタンを押すと水が流れる手動タイプの洗浄弁が付いている場合は、注意が必要。ボタンそのものにも不潔なイメージがあるためか、押す人が少ないことが多く、小便が便器に溜まる結果、悪臭の原因となりやすい。従業員が清掃するたびに、ボタンを押して、水を流すようにする必要がある。

スペース上、どうしても男性小便器を設けられない場合、最低限、床や壁の素材は汚れが付着しにくく、清掃が容易なタイプを選ぶこと。ただし、小便の飛散は防げないので、頻繁な清掃が大切だ。

小便に比べ、大便から発生するにおいへの対策は比較的容易だ。洋風便器では、着座すると自動的にオゾンによる脱臭を始める機能が付いた便座もある。小便、大便両方に共通する対策としては、換気扇の設置が効果的だ。

芳香剤の使用は勧められない面もある。悪臭の程度は和らげられても、芳香剤のにおいをいやがる人も多いからだ。また、人間は温度や湿度が高いとにおいを感じやすい。そこで、トイレ内の温度を低めに設定しておくことも、悪臭対策になる。

トイレには客席と同様の"もてなしの空間"の役割もある。特に、女性客は化粧直しのためにトイレを複数回利用することも多く、トイレを見る目は厳しい。

トイレブースで注意すべきは、予備のトイレットペーパーの置き場所。タンクや水栓金具のバルブの上に無雑作に置かず、複数のホルダーを設置して収納するとよい。

客数に合わせ、便座に敷くシートペーパーも用意する。ペーパーボックスを新たに設置しなくても、しゃれた籠に入れて置くだけでも十分。トイレの音を気にする女性も多いので、トイレ内にも音楽を流したり、人工的に水洗音の流れる装置なども、余裕があれば採用したい。

トイレの備品で女性に最も不評なのが、昔ながらのホーロー製の三角形の汚物入れ。今はペダルを踏むとフタが開き、中も見えず金属音もしない製品がある。また、きれいな箱に生理用ナプキンを入れ、万一の場合に使ってもらえるように置いておくといった配慮も求められる。

女性はバッグを持って入ることが多いので、ドアに荷物掛けは必須だ。小柄な女性でも荷物を掛けられるように低い位置にもう1つあるとよい。できれば、座った目線ぐらいの高さの棚があればベターだ。

次に、洗面所。手動で操作する水栓金具の場合、濡れた手で蛇口をひねることでカウンターに水が落ちやすく、化粧直しをしたくてもバッグの置き場がない状態になってしまうこともある。現状の水栓金具を自動水栓にするなどして、水こぼれを少なくする対策が必要だ。

洗面コーナーの照明は、暗過ぎて化粧直しがしづらいムード照明は避ける。蛍光灯は顔色を不自然に青白く見せてしまうので、白熱灯などを使うとよい。

(日経レストラン編集部)