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衛生・クレンリネス

生ゴミリサイクルへの取り組み方

今後、小規模店も対応を求められる。まずは分別から

2006年1月30日

自店で排出した生ゴミを原料にたい肥を作り、そのたい肥を使って栽培した農産物を、再びメニューに仕立てる――。理論上、生ゴミが発生しない循環型生ゴミリサイクルを実施する外食企業が、出てきている。

あるホテルでは、施設内のレストランなどから出た生ゴミで作ったたい肥で栽培した有機野菜のコースメニューを、特別メニューとして提供した。同ホテルでは、こうした取り組みによって、一般廃棄物の排出量も以前の約3分の2に減り、ゴミ処理費を大幅削減できた。

また、あるファミリーレストランでは、各店舗にゴミ処理機を設置し、コンポスト化(生ゴミをたい肥にすること)を推進している。発酵させた生ゴミをたい肥化促進剤として利用した有機栽培の大根を、サラダに使っている。店舗の植栽にも、このたい肥を活用している。

生ゴミリサイクルは大手外食企業中心に行われているが、今後は中小飲食店でも取り組みが期待されている。業務用小型生ゴミ処理機も出てきており、物流コストがかからないように近隣農家と提携し、地域内で循環させるといったやり方なども考えられる。そのためにも、今からゴミの分別を習慣付けておくべきだ。ある駅ビルでは、ビル全体でリサイクル活動をしており、たい肥をビル内の花屋で販売している。個人経営の店の場合、町ぐるみでリサイクルに取り組めばたい肥の量を確保しやすくなり、受け入れ先探しも容易になろう。

生ゴミ処理で重要なのが、このゴミの徹底分別と、「水分を切って捨てる」という点だ。生ゴミリサイクルでは、微生物などで生ゴミを発酵させるが、水分が多いと発酵が進みにくくなる。通常のゴミとして処理する場合にも、生ゴミに含まれる水分は、焼却炉の温度を下げ、ダイオキシン発生の一因になるともいわれている。

また、たい肥の品質の点からも、分別は重要だ。これまでも、生ゴミにビニールが混ざっていたり、発酵不十分なままのたい肥だったため、農家の作物がダメになったという例があった。受け入れ先に迷惑をかけないためにも、生ゴミリサイクルに取り組むチェーンでは、業者に委託せずに企業自らが各店舗の生ゴミを回収し、異物混入のチェックなどを行っている。

小規模な飲食店でも可能な環境対策としては、ゴミ減容も大切だ。その手法の代表例は、やはり圧縮機とコンポスターだ。

圧縮機は文字通り、紙やプラスチックなどのゴミを圧縮する機器。メーカーにもよるが、5分の1から15分の1程度にゴミのカサを減らせるのが特徴だ。ゴミをポリ袋ごと機器に入れて圧縮する方式が多く採用されているが、圧縮の時に、ポリ袋が破れ、飲料の残りなどがしみ出して、床を汚すことも起こり得る。また、圧縮し過ぎると重くなるため、持ち運びの際に従業員や回収業者の負担も増す。「10分の1以上に圧縮すると、袋が重くなり過ぎて回収業者が嫌がるから、5分の1程度の圧縮にとどめている」という店もある。

微生物を使って生ゴミを分解し、肥料に変えることでゴミを減容するのがコンポスター。また、生ゴミを粉砕機で細かく砕き、脱水や乾燥させてから減容する機器もある。このタイプの場合、紙ゴミが混入していても、一緒に処理できるのがメリット。ただ、減容率は、コンポスターに比べ半分以下にとどまる。

環境対策は飲食店にとっても大きな課題だ。さらに今後はゴミ処理料金の上昇が予想され、生ゴミの減量やリサイクルは、ますます注目されてくるだろう。

(日経レストラン編集部)