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衛生・クレンリネス

真空包装機で食材ロスが削減可能?

利点はあるが、衛生管理には注意が必要

2006年4月17日

真空包装機とは、食材や調理済みの食品を専用のフィルムで包んでおくと、フィルム内部の空気を抜いて真空状態にする機械のこと。真空調理法には欠かせない装置だ。

この真空包装機を使って、仕入れをしたものの有効に使い切れずに廃棄処分となってしまう食材のロスを減らすというアイデアがある。

例えば、あるホテルでは料理の仕込みに真空包装機を活用して、コストの高い魚介類や肉類の食材ロスを減らしたという。

特に効果があったのは土日の婚礼に使うことが多い鯛やヒレ肉などの仕込み。それまでは、金曜もしくは土曜に仕入れと仕込みをしていたが、身や肉の部分は宴会で使えても、魚の頭や肉の端などは使えない上、翌週になると鮮度が落ちるため、廃棄せざるを得なかった。

そこで、週の初めに食材を仕入れる体制に変更。土日用の素材は小分けして真空パックにして鮮度を保つと共に、捨てていた部分を平日の宴会に有効活用するようにしたところ、鯛を例にとると、従来は全重量の26%にのぼっていたロスが減り、廃棄率はわずか6%に下がったという。ヒレ肉も、端を利用したバイキングメニューや角切りにして食べやすくしたキューブステーキといった新メニューを開発することで食材ロスの低下を実現できたという。

ただ、こうした真空包装機の活用は、調理時点及び貯蔵の過程で、厳密な衛生管理をすることが前提となる。真空にすることで、空気と触れず、酸化は進みにくくなるが、食中毒を引き起こす細菌の中には、酸素が少ない状態でも繁殖が進むものが少なくないからだ。仕込みの段階で、殺菌処理を徹底し、できるだけ食材に雑菌が付かない態勢を作ると共に、仕込み後はできるだけ早く、冷蔵状態で保管する必要がある。

その際は、衛生管理システム、HACCPを活用すると有効だろう。実際、既に大手のホテルでは宴会調理を中心にHACCPを導入する例が増えている。

(日経レストラン編集部)