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飲食店開業の際に必要な届け出は?

2005年12月1日

大谷 珠代

飲食店を開業する際には、保健所や消防署、税務署、場合によっては警察署や社会保険事務所などへ各種届け出をする必要がある。特に、保健所への「食品営業許可申請」は飲食店の場合は不可欠だし、スナックなどに必要な「風俗営業許可」は許可を受けないで営業すると罰せられるので要注意だ。

まずは「営業許可申請」

飲食店の営業を始めるにはまず、食品衛生法に基づいて、店の所在地を管轄する保健所に「食品営業許可申請」を提出し、許可を受けることが必要だ。許可を受けるには、1、食品衛生責任者の資格を持った人を店に1人置くこと、2、都道府県ごとに条例で定められた施設基準に合致した施設を作ること、の2つの条件を満たさなければならない。

1、の食品衛生責任者は、調理師、栄養士、製菓衛生士などの資格を持っていればなれるが、こうした資格を持っていなくても食品衛生責任者養成講習会(詳しくは地元の保健所へ)を受講すれば資格が取れる。

この資格はどの都道府県で取得しても全国で通用するが、受けた講習の時間が基準に満たないと再取得しなければならない。例えば東京都の場合は講習時間は6時間以上だが、青森県は1997年より前は6時間未満だったため、青森県で97年より前に資格を取った人が東京で飲食店を開く場合は取り直す必要がある。

また、地域にもよるが、この資格は開業時点で取っていなくても、3カ月以内(東京都の場合)に必ず取るという誓約書を出せば開業できるようにもなっている。

一方、2、については、「工事が完了してからの施設検査で不適格とされるとやり直しになるので、着工前に施設の図面などを持って保健所に相談に行くのが一般的だし、ぜひそうすべき」と行政書士の山本尚子氏は強調する。  施設検査のポイントは、一言で言うと、清潔で安全な施設であるかどうか。壁や天井が清掃をしやすい構造である、手洗い設備があるなど、飲食店を含むすべての食品関係の業種に必要な「共通基準」と、十分な冷蔵設備がある、洗浄槽は2槽以上あるといった飲食店向けに定められた「特定基準」に基づいて行われ、これらの施設基準に適合しない場合は許可がおりない。

東京都内の保健所によると、施設検査で引っかかるのは、施設の根本的な欠陥というより、水やガスがまだ通っておらず排水の状況が確認できないケースや、これから付ける予定の消毒装置がまだ手洗いに付いていないケースなど、営業開始に向けての準備が不完全な場合がほとんど。不適とされた場合はその部分を改善後、改めて再検査を受けることになり、開業の遅れにもつながりかねない。施設の準備が万全に整ってから施設検査を受けるようにしたい。

なお、飲食店など食品関係の営業施設には、保健所の食品衛生監視員が日頃から抜き打ち的に立ち入り、施設の衛生状態などを監視している。食品衛生法に違反した場合は、指導や罰則、営業停止、営業許可取り消し処分などを受けることもあり、違反して刑罰を受けた場合や許可を取り消された場合は、その日から2年間は食品営業許可が取れないので要注意だ。

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