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経営

店の現金を安全・確実に管理するには?

2005年12月5日

齋藤 訓之

あまりに身近なだけに、注意不足になりそうな現金。しかし、この現金は店内外から狙われている。安全に現金を管理する方法を営業の流れに合わせて解説すると共に、サービスが縮小傾向にある夜間金庫に変わる、預け入れの方法を紹介する。

店内の現金を減らすのが原則

売上金をいかに安全・確実に銀行口座に入れるか、いかに違算(レジ、帳簿上の結果と現金残高の食い違い)をなくすか、盗難や横領などの犯罪からいかに守るか——。飲食店にとって現金の取り扱いにかかわる悩みは多い。

「基本は店内になるべく現金を置かないこと」と指摘するのは、綜合警備保障法人営業第一部の駒ヶ峯幹雄課長。これは防犯の観点からはもちろん現金が銀行口座に入るということは金額のカウント完了を意味し、資金化=活用できるお金になるということでもあり、経営上のメリットも大きい。

そこで、店の現金を下表のように1.銀行口座に入れるべきもの、2.店内の金庫に入れるべきもの、3.レジに留め置かざるを得ないものと分類し、1と2を増やしていくことが現金管理の基本となる。これを行動指針として標語化したのが、下に掲げる現金管理の鉄則3カ条だ。


複数で管理に当たる

この鉄則を実行していく方法を、時間帯別に考えていこう。

まず、1日の営業を始めるに当たって釣銭をレジに収めるが、この時1人ではなく複数の従業員で金額を確かめること。これはミスを防ぐだけでなく、「店の現金はしっかり管理されているという意識を従業員に持ってもらい、部外者にもそう感じさせることが大切」(駒ヶ峯課長)だからだ。

高額紙幣での支払いがあった際には、レジ担当者が他の従業員に「1万円札入ります」などと声を掛けるようにする。これは違算や横領を防ぐことにつながる。また、イー・ファイナンス ドットコム取締役チーフ・リスク・エンジニアの高月照久氏は、「1万円札は釣銭に使うことがない金種。高額紙幣はレジに入れたままにせず適宜金庫などにしまう工夫を」と指摘する。

営業時間中は、各種の犯罪を企図した来店者にも注意する。まず、お客や納品業者などすべての来店者に対して挨拶をすることは、エチケットであるだけでなく、防犯の意味も持つことを覚えておきたい。

営業中の飲食店や小売店で被害が多いのは、詐欺的な手口の犯罪。両替や釣銭を出す際に従業員を混乱させて間違いを誘ったり、スキを見てレジの現金を持ち去るような犯行の例がある。両替の要求に対しては、「あいにく釣銭が不足しておりますので」などと柔らかい言葉で断るのが賢明だ。また、釣銭を出す際に混乱した場合は落ち着いてスタートラインに戻るなど、対応法を指示しておく。


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