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経営

計数管理の原則は?

損益計算書を使い、段階的に把握する

2006年3月9日

計数管理の基本は、数字を把握すること。利益が出ているのか、どの経費をどのくらい使っているのか、理解していないと、まさしくドンブリ勘定になる。そうならないためには、経費ごとに分類し、段階を分けて一覧表にするとよい。それが損益計算書と呼ばれるものだ。費用には食材費や人件費、家賃、支払利息など様々な項目があるが、その性質によって5段階の利益を把握できる。

1.売上総利益

一般に「粗利」と呼ぶ。売り上げから食材費を引いて算出する。人件費や光熱費など店舗運営にかかる費用は入れない。注意点は、当月購入の食材費だけで計算しないこと。前月の繰り越し分を算入しないと、実際より少額になる。

また、その月に購入して使わなかった分を差し引かないと正確な食材原価にならない。前月からの在庫分を加え、今月購入しても不使用だった分は、在庫として来月の食材費に加える。

2.営業利益

売上総利益(粗利)から人件費、光熱費、家賃、消耗品費など、店を営業するのに必要な費用を引いたもの。店を営業して得られた利益に当たる。

差し引く費用は、「販売費及び一般管理費(販管費)」と呼ばれ、食材費以外で、店舗運営にかかる人件費や光熱費、家賃、広告宣伝費、販売促進費などの費用がすべて含まれる。この営業利益の額や売り上げに対する比率が、本業の飲食店事業の収益力を見るための指標となる。

3.経常利益

営業利益に「営業外利益」を加え、「営業外費用」を引いて算出する。営業外利益は店の営業以外から得た利益で、かかった費用を「営業外費用」と呼ぶ。

店を経営する企業の名義で保有する株式などの有価証券の配当や保有する土地や建物の賃貸料収入などが営業外利益に該当する。一方で、借入金の利息、受取手形の割引費用などが営業外費用に当たる。

経常利益から、企業が安定的に利益を確保できているかが把握できる。ただし、営業利益が赤字でも、多額の営業外利益が計上されていると経常利益が黒字になってしまう。それのみで本業の調子が分かるわけではないので注意が必要だ。

4.税引き前利益

経常利益に「特別利益」を加え、「特別損失」を引いて出す。特別利益、特別損失は、臨時に発生した利益と費用だ。

所有する固定資産を売却して得た利益などが特別利益、逆に固定資産の売却で損が生じたり、災害による損失、人員整理に伴う臨時の退職金などが特別損失である。税引き前利益が分かれば、税金以外のすべての収支の流れが把握できる。

小規模飲食店では特別利益・損失の発生は少ないため、経常利益と税引き前利益がイコールとなる場合が多いだろう。

5.当期利益

税引き前当期から、法人税などの税金を支払った後に残る金額で、「税引き後利益」ともいう。店が最終的に得られる儲けを示している。

この当期利益と前期から繰り越してきた利益から株主への配当金などを支払う。残った分は株主資本(自己資本)として企業に蓄積されていく。

(日経レストラン編集部)