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経営

損益分岐点の計算方法を知りたい

コストを固定費と変動費に分けて計算式を当てはめる

2006年6月26日

損益分岐点売上高(=損益分岐点)を計算するためには、まず利益を生み出すのに使った費用を、固定費と変動費に分ける事が必要だ。固定費は、売り上げの増減に関係なくかかる費用で、人件費や店舗の賃借料、広告宣伝費、固定資産税などの税金、減価償却費などだ。

一方、変動費は、売上高に比例して増減する費用で、食材費、光熱費、箸やおしぼりをはじめとした消耗品費などが当たる。

厳密には、人件費でも残業代は変動費、光熱費のうち、基本料金は固定費に当たるなど、同じ項目でも固定費と変動費に分かれるが、事務処理が煩雑になるので、現実には比率の大きい方へまとめて計上してよい。

またここでいう固定費、変動費に厳格な定めはないので、自分の店の事情に合わせて固定費を決め、それ以外の費用は変動費としても構わない。例えば、バーのようにあまり照明やガスを使わない店は、光熱費は固定費としても問題ないだろう。

固定費、変動費の分類は業種によっても異なる。例えば、交際費は小規模飲食店の場合には金額も少なく、売り上げに直結しないため固定費として扱うが、メーカーなどの場合には交際費はその月によって金額の変動が大きく、交際費を使った接待が売り上げに影響する場合も多いため、変動費として扱っている企業もある。

一般に、損益分岐点は低い方がよい。損益分岐点を超える売り上げを出せば、超過分が店の儲けになる。その損益分岐点を低く誘導するためには、固定費・変動費を少なくすればいい。特に固定費は、売り上げの多少に関係なくかかるので、できるだけ抑えるべきだ。

食材費などの変動費は、売り上げに直結するため削減しにくいものだが、例えば、仕入れ先と交渉して仕入れ値を安くできれば、変動費も抑えることが可能だ。

固定費と変動費が分類できたら、あとは計算式にあてはめるだけだ。計算式は、損益分岐点売上高=固定費÷(1−変動費÷売上高)と少し複雑だが、使う数字は3種類しかないので、さほど難しい作業ではない。

まず月の売り上げが200万円で、変動費が80万円、固定費が100万円の店の損益分岐点売上高を計算してみよう。計算式に当てはめると、損益分岐点売上高=100万円÷(1−80万円÷200万円)で、損益分岐点売上高は166万円になる。月商が166万円を越えれば、利益が出る計算だ。

損益分岐点が算出できるようになれば、現在の利益だけでなく、その計算式を活用して、様々な経営分析ができるようになるのも利点だ。例えば、目標の損益分岐点売上高を設定し、今の変動費、固定費を変えずに営業する場合には、いくら売り上げを積み増すことが必要かといった必要な増収額の算出だ。

固定費50万円、変動費30万円の店で、損益分岐点を70万円と設定すれば、冒頭の式を当てはめると、70万円=50万円÷(1−30万円÷Y)。この店は105万円の売り上げが必要だと分かる。

もう一つ、売り上げを変えずに損益分岐点を下げるためには、変動費または固定費をいくら削減しなくてはならないかというコストカットの目標額の計算もできる。

現在の固定費が55万円で、売上高100万円、変動費30万円の店が、損益分岐点を70万円にしたい場合は、70万円=Z÷(1−30万円÷100万円)で、固定費は49万円となる。現在の固定費から6万円削減しなければならないと分かる。

(日経レストラン編集部)