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原価計算と原価率管理の方法を教えて

自店の状態を正確に把握することが第一歩

2006年9月7日

原価計算は仕入れ値だけを使っていたのでは、正確に計算できない。調理段階で出てくる食材ロスを考慮し、仕入れ原価に上乗せした料理原価を用いて計算する必要がある。原価計算の具体的な手順は以下の通りだ。

ステップ1

標準歩留まりを出す。調理加工し、お客に提供できる状態になった原材料の重量の平均が標準歩留だ。

ステップ2

次に料理原価を算出する。例えば、仕入れ時9kgの牛肉(仕入れ原価1kg3000円)の標準歩留まりが6kgとすると、料理原価は3000円×(9kg÷6kg)で、1kg4500円となる。

ステップ3

次に一人前の標準原価を算出する。料理原価を基に、ポーション当たりの原価を計算する。例えば、ステーキのポーションサイズが200gとすると、1kgから5枚取れる。上記の例だと、料理原価は1kg4500円だから、4500円÷5で、ステーキ一人前原価は900円となる。

ステップ4

さらに、メニュー品目ごとの原価計算は付け合わせなどの原価を加えて算出する。全食材は無理でも、価格の高い肉類、魚介類、生鮮食材に関しては原価計算をしたい。業態にもよるが、原価率の目安は30%。目標原価率を達成できるような仕入れ、調理、販売が必要だ。

まず単品ごとの原価管理を考える。一品一品を目標原価率通り、つまりレシピ通りに調理することが重要だ。

月間、年間を通したトータルの原価率も管理する。店全体の目標原価率が30%でも、メニューを構成する商品には原価率40%の商品もあれば、原価率が20%の商品もある。上手にコントロールできないと1カ月の原価率は予定から大きくずれてしまいかねない。

そこで大きな役割を担うのがホールスタッフ。訓練されたホールスタッフは原価のバランスを計算しながらオーダーを取ったり、お客様に商品を薦めるなどして、原価率をある程度コントロールできるものだ。

年間を通じた原価管理で重要な役割を果たすのが、季節メニューだ。例えば、定番メニューだけでは目標原価率を上回りそうな場合、期間限定で原価率の低い商品を入れることで、目標原価率に近付けられる。

原価管理は正確な原価率の把握なしには始まらない。そのために月に1度、月末には棚卸しを欠かさず行おう。

棚卸しに必要なデータは、A=食材の前月残量と金額、B=当月仕入れ量と金額、C=当月残量と金額、D=当月使用量と金額の四つで、A+B−C=Dとなる。

このDの合計金額を売り上げで割るとその月の実際の原価率が算出できる。これを「棚卸原価率」という。これをレシピ上の原価の合計を月間売上で割って得られる「理論原価率」と比べてロスを把握する。この二つを比べると、大抵は「理論原価率〈棚卸原価率」となり、この差をロス(率)という。

ロス率が生じる原因は、使用食材の量がレシピより多い、注文ミスで料理を廃棄した、など様々だ。中でも、ロス率上昇の大きな要因となるのが、腐敗などによる食材の廃棄。これを減らすには、新しく仕入れた物を食品庫や冷蔵庫の奥に入れて、前からの在庫を手前に並べ、手前の物から使うのがコツ。これを食材の「先入れ・先出し」という。このほか、食材の歩留まりをよくしたり、調理ミスを抑えることも原価率低減に貢献する。

(日経レストラン編集部)