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経営

食材費と人件費、どうやって削る?

数値基準を設けて、無駄を省くこと

2006年10月5日

まずは各経費の適正度を点検しよう。食材費と人件費の合計は、総売上高の60%、高くても62%以内を目安に抑えたい。数字で示すことで、従業員にコスト意識を持たせることも可能になる。

目標が決まったら、具体策だ。まず食材費だが、基本は無駄の排除から。売れていない死に筋メニューだけに使われている食材がある場合、それが無駄な在庫になったり、腐ってロスになっている例が少なくない。メニューごとの売上高貢献度を販売個数、販売金額などで分析するABC分析を行うと共に、使用食材を調べて、Cに属するメニューだけに使う食材をなくすことが一つの手だ。そのためにはレシピの作成が大前提になる。

意外と見過ごされるのが、調理時のミスによる食材ロス。オーダーと違う料理を作ってしまったり、焦がしてしまったりした場合は、すべてロスになり、食材費を押し上げる要因になる。

また仕入れ値も定期的にチェックするとよい。他店と比べて高くないかどうかを、親しい経営者に尋ねるなどして調べ、もし高過ぎる商品があれば、その取引業者を変更することも考えるべきだ。現実的なのは常に2、3社と取引し、業者間で競争させること。さらに、食材を納入してもらう際、必ず業者の目の前で検品しよう。

一方、人件費の場合、業態にもよるが、人件費率は売り上げの25%を目安とする。

こちらも基本は無駄をなくすこと。まず、パート・アルバイトのローテーション表をきちんと作成し、人員配置をチェックする。勤務シフト表(ワークスケジュール)がいい加減だと、ヒマな時間帯なのに従業員が必要以上に配置されるというコスト増につながるだけでなく、繁忙時間帯なのに人数が足りないと、サービスの低下、ひいては売り上げの減少に直結する。

ワークスケジュールを立てる上で、ぜひ覚えたいのが「マンアワー」という言葉だ。これは、店舗を運営するのに必要な各作業の標準労働時間を指す言葉であり、単位としても使われる。ワークスケジュール(作業割り当て)を作成する際のガイドラインとなるものである。

具体的には、目標月商1000万円で目標人件費率が25%の場合、人件費の予算は1000万円×0.25で250万円。このうちP/A人件費(社員の人件費は固定費なので、仮に100万円とした場合、250万円—100万円=150万円)をP/Aの平均時給(例えば1000円)で割ると、150万円÷1000円=1500時間。これが、目標月商を目標人件費率内で達成するためのP/A総労働時間の上限となる。

次に、日別の売上計画を元に作業割り当てを行い、ワークスケジュールを作る。さらに精査して時間帯別の労働時間数を検討していく。それを元に、スタッフそれぞれの希望勤務日時などを加味してワークスケジュールを組み、日ごとの人件費をコントロールしていくわけだ。

もっとも、どんなに完璧なワークスケジュールを作り、そのとおりに実行しても、ただそれだけで目標人件費率を達成できるとは限らない。週末に雨が降って客足が伸びなかったなど、売り上げが目標に達しないことも多々あるからだ。

売り上げが落ちそうな日は、P/Aを予定より早めに帰すなどの臨機応変な対応が必要だ。と同時に、日々の売り上げと人件費の月初からの累積を毎日チェックし、目標と実績にズレが生じた際は目標に近付けるべく随時シフトを組み変えるといった調整が欠かせない。

(日経レストラン編集部)