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経営

他店の視察で注意すべきことは?

目的意識を持って、記録しながら視察する

2007年2月1日

視察する繁盛店は業界紙やガイドブックなどを振るフル活用して選ぶ。なるべく自店と同じ業種、業態を選び、規模や客層が似た店に的を絞る。ただし、他業態や客単価が異なる店でも、参考になることは多いので、余裕がある場合はせひ、そういった店まで足を運びたいものだ。

視察でみるべきポイントは、QSCが中心になる。

  1. 人気メニューや看板メニュー
  2. 調理技術のレベルが推し量れるような商品
  3. 調理時間がかかりそうな商品
  4. 品質保持が難しい商品
  5. 特殊な食材を使っている商品

これらに注目して料理を注文し、調理のレベルから調理のシステム、食材管理の技術などを推測する。料理は、煮物、焼き物など調理法別に注文する。その店の得意料理が判断でき、自店と比較しやすくなるからだ。オリジナルや変わったネーミングの商品も、必ず押さえておく。

接客で見るポイントを2つ。1つが商品知識。オーダー時には必ず従業員と会話をしよう。2つ目は、その店の実力が出る苦情処理技術。料理の提供時間や内容に若干の問題があれば、少し苦情を言ってみて、対応を見るという手もある。従業員レベルは「いらっしゃいませ」の挨拶が機敏に、笑顔でできているか、オーダー時に本日のお薦めをきちんと売り込んでいるかなどで判断できる。空き皿の下げをタイミングよく行い、そのつど、追加オーダーをうまく取っているようなら、従業員のレベルはかなり高い。

次に、クレンリネスを見る。床やテーブル、イスなど汚れやすいところの清掃具合を確認する。こういったところにも、その店の運営姿勢や従業員のレベルが現れるからだ。

繁盛店視察で肝心なことは、流行っている理由を見極めることだ。少し気が引けるかもしれないが、トイレや電話に立つふりをして、「テーブルウオッチング」もしてみよう。テーブルごとに、どんな客層が、どんな料理を楽しみ、どの程度お金を使っているかを見ることは、繁盛の要因を知るうえで重要だ。

競合店視察は、店の本質である営業コンセプトを確認するために行う。営業コンセプトとは、店舗規模、雰囲気、商品力、サービス力、トレンド感、値ごろ感、客層といった要素で成り立っているので、それぞれを個別に観察したうえで総合判断する。自分の店の営業コンセプトと類似している場合は、競合を覚悟しなければならない。

実際の視察では、小型カメラを持っていきたい。店舗の外観やエントランス、できれば料理も撮っておくといい。ただし、写真撮影については、視察店の迷惑にならないように十分気をつける。店内での印象やメニュー構成、かかっくなどを記録するのに便利なのが小型のテープレコーダーだ。また、QSCに関する簡単なチェックシートを作っておくといい。これらの記録ツールがあれば、正確な情報を残し、視察の結果を従業員に話して聞かせられる。

ここも重要!

・事前に目的を明かすのも手
一般客としてではなく、自分の名前や目的を相手に事前に伝えておいてもいい。その方がその店の最高の状態を見せてもらえやすいし、うまくいけば料理長や店主の話を聞いたり、厨房を見せてもらえることもある

・その店の良い点を探す
視察するからには、相手の良いところを探して学ぶ、というのが最大の目的。自分の好みとは合わなくても、流行っている店には、それなりの理由が必ずあるはず。冷静かつ謙虚な姿勢が欲しい

・店員に話しかける
注文時には積極的に店員に話しかけよう。お薦めや好きなメニューを聞くと、その対応の仕方で、店員の教育レベルが分かる。特に聞き出したいことがある場合は、事前に質問を考えておくといい

(日経レストラン編集部)