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経営

繁盛店、競合店の視察で留意点は?

目的意識を持ち、記録を取りながら視察しよう

2007年10月18日

視察する繁盛店は専門誌やガイドブックなどをフル活用して選ぶ。あまり多く回れないなら、なるべく自店と同じ業種、業態を選び、規模や客層が似た店に的を絞る。じっくりと観察することが大切なので、欲張らずに1晩で2店程度を目安にする。

視察の際には、小型カメラを持って行きたい。店舗の外観やエントランス、できれば料理も撮っておく。写真撮影については、視察店の迷惑にならないように十分に気を付ける。店内での印象やメニュー構成、価格などを記録するのに便利なのが小型のテープレコーダーだ。またQSCに関する簡単なチェックシートを作っておくとよい。これらの記録ツールがあれば、正確な情報を残し、視察の結果を従業員に話して聞かせられる。

繁盛店視察で肝心なことは、流行している理由を見極めること。少し気が引けるかもしれないが、トイレや電話に立つフリをして「テーブルウオッチング」もしてみよう。テーブルごとに、どんな客層が、どんな料理を楽しみ、どの程度お金を使っているかを見ることは、繁盛の要因を知る上で重要だ。

近くに競合店ができたときは、オープン後の1カ月間は視察を避ける。この間はオープニングイベントなどの“しかけ”を施している可能性が高く、平常営業とは比較できない。視察にふさわしい時間帯は、金曜か土曜の午後7~9時が適当だ。

競合店視察は、あくまでも、店の本質である営業コンセプトを確認するために行う。営業コンセプトとは、店舗規模、雰囲気、商品力、サービス力、トレンド感、値ごろ感、客層といった要素で成り立っているので、それぞれを個別に観察した上で、総合判断する。自分の店の営業コンセプトと類似していれば、競合を覚悟する。

実際の視察では、まず店舗の内外装やBGMなどから、その店の顧客ターゲットを推測する。また、居酒屋業態では、パーティー席と一般席の構成で、どんな利用動機のお客を狙っているのかが分かる。

視察で見るべきポイントは、QSCが中心になる。まず、1:人気メニューや看板メニュー、2:調理技術のレベルが推し量れるような商品、3:調理時間がかかりそうな商品、4:品質保持が難しい商品、5:特殊な食材を使っている商品──などに注目して料理を注文し、調理のレベルから、調理のシステム、食材管理の技術などを推測する。

煮物、焼き物など、調理方法別に注文すると、その店の得意メニューが判断でき、自店と比較しやすくなる。オリジナルや変わったネーミングの商品もヒット商品の可能性が高いので、必ず押さえておこう。

接客のポイントは2つ。1つが商品知識。オーダー時には必ず従業員と話そう。2つ目は、その店の実力が出る苦情処理技術。料理の提供時間や内容に若干の問題があれば、少し苦情を言ってみて、反応を見る。

従業員レベルは、「いらっしゃいませ」の挨拶が機敏に笑顔でできているか、オーダー時に本日のお薦めをきちんと売り込んでいるか、などで判断する。空き皿の下げをタイミングよく行い、その時に追加オーダーをうまく取っているようなら、従業員のレベルはかなり高い。

次にクレンリネスを見る。床、テーブル、イスなどの汚れやすいところの清掃具合を確認する。ここに店舗の運営姿勢や従業員のレベルが現れるからだ。

平均客単価も推定しよう。これはビール主体の店ならビール1.5本プラス料理3品。日本酒主体なら徳利2本プラス料理3品が目安となる。

事前の準備

  • 視察先のコンセプトを確認
    視察先のホームページや記事などを事前にチェックし、コンセプトを理解した上で視察しよう。これを怠ると、自分の店との単なる比較になりやすく、客単価が違うのに「うちの方が美味しいから勝った」などと安易に判断することになりかねない。
  • 事前に目的を明かすのも手
    あくまでも一般のお客として視察する人は多いが、自分の名前や目的を相手に事前に伝えるのも、目的によっては一策。その方が、その店の最高の状態を見やすいし、うまくいけば料理長や社長に話を聞いたり、厨房を見せてもらうことも可能。

視察の現場

  • 良いところを探す
    「繁盛店と聞いたから行ったが、接客も料理も最悪。行くんじゃなかった」。時々こんなぼやきを耳にするが、自分にとって最悪でも、流行っているのには理由があるはず、相手の良いところを探し出して学ぶ、冷静かつ謙虚な姿勢を持ってこそ視察の意味がある。
  • 店員に話しかける
    注文する時にお薦めや好きなメニューを聞くなど、店員に話しかけると、その応対の仕方でスタッフ教育の度合いや店の雰囲気が透けて見える。思いつきで話しかけてもいいが、特に聞き出したいことがある場合は、事前に質問を考えておくといい。
  • 店長の動きに注目 ある料理人は視察先で、ほかのお客の料理に異物が入っているのに気づいた。その時の店長のお客への応対に感動し、自店にも取り入れたという。その場の責任者の動きを観察したり、店員同士の会話に耳を傾けることで、得るものも大きい。

(日経レストラン編集部)