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経営

ランチ営業できちんと利益を出すには?

利益を出すには原価率を35%以下に

2008年1月24日

ランチ営業には、売り上げアップ、夜の営業時間帯の食材を使うことで食材の回転が良くなる、ランチのお客を夜につなげられる、などのメリットが多いが、やり方を間違えると労働時間が長くなるだけで、利益が出ないということになりかねない。また、ランチ営業でお客の期待を裏切ると、逆に夜の営業に悪影響を与える。ランチであっても、しっかりとした営業政策が必要だ。

まずはメニュー。品数を増やすほど、仕込みや調理に時間がかかる。特にオフィス立地では、料理の提供時間を短縮し、客回転率を上げる必要があるので、メニュー数は日替わりを入れて4~5種類程度に絞り込む。

メニューでは、店ならではの特徴を打ち出そう。居酒屋ならば、焼き魚、肉じゃが、漬物と味噌汁、ご飯といった「家庭料理」の定食を提供するとよい。旬の素材による季節感の訴求も、他店との違いを出すのに効果的だ。

また、価格の違うセットメニューを最低3品作りたい。価格が3段階あると、多くの人は真ん中のものを選ぶが、2段階しかないと、安いほうを選択する傾向がある。少しでも客単価を上げるために、価格の高いものに注文を誘導するメニュー作りが重要だ。

日替わりメニューを加えるときは、あらかじめ営業日プラス1種類を考えておき、それをローテーションさせる。これで、同じ曜日に同じ日替わりメニューが登場することがなくなり、お客に新鮮味を感じさせられる。

価格は、周辺の相場を考慮に入れて設定するが、通常600~1000円までが一般的だ。ランチは、味の良さはもちろんのこと、「安くてボリュームがある」ことも大切。だからこそ、気をつけたいのが原価管理だ。利益を出すためには、原価は35%以下に抑えたい。良いものを提供しようと、原価の高い食材を使うよりも、原価の安い食材を贅沢に使って、旨みを出すなどの工夫が必要だ。例えば、玉ネギ。多くの量を長時間炒めてカレーやオムライスなどに加えてコクを出すといった一手間で、お客の満足度が格段に違う。

その分、人件費は抑える。過剰なサービスは必要ない。特に居酒屋であれば、むしろテキパキとした応対の方が、お客は不快に感じない。

一番重要になるのが、提供スピードだ。サラリーマンやOLの昼休みは1時間程度だから、ランチはこの昼休みの1時間が勝負。早く食事をして一服したい、というのがお客の心理だ。提供スピードのアップこそが客数確保の決め手となる、といっても過言ではない。

ビジネス立地における男性の滞在時間は20分前後。となると、オーダーを受けてから5分以内には提供したい。主菜は煮る、炒める、オーブンで焼くなど、メニューごとに調理方法を変えるのがポイント。一つの調理器具に集中しないので調理がスムーズになり、提供が遅れずに済む。夜用のメニューとして仕込んだ料理を、小鉢として添えてもいいだろう。店のコンセプトを少しだけ感じさせるものであれば、ランチがきっかけで夜の来店にも結びつく。会計は1人当たり20秒が目安。内税でポッキリ価格だと、お客もお金を用意しやすくなる。

仕込み作業では、食材の1次加工が大切だ。野菜類はカットしておき、調理に時間がかかるものは煮込んだり、蒸しておく。

ランチメニューのためだけに食材を追加仕入れすることは避けたい。食材ロスが出ると結局原価が上がり、残った食材を保管するスペースも必要になる。むしろ、前日の夜の営業で使い切らなかった材料をどう活用するのか考えることが有効だ。刺身用の魚が残ったならば、それを味噌焼きや照り焼き、フライにすることで、別の新たなメニューに“仕立て直す”ことを検討する。

食後にお茶を提供すると、お客はより満腹感を味わえる。テーブルにポットを置いてセルフサービスにしておいてもいい。

(日経レストラン編集部)