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調理・メニュー

今、売れるメニュー名はこう付ける!

2006年5月8日

文=鈴木 裕美、源川 暢子
写真=小川 玲子、高瀬 信夫、田中 仁、前川 紀子

メニュー名は、お客の注文意欲や料理への期待度を大きく左右し、売り上げにも影響する。つい頼みたくなる上手なメニュー名の付け方を、飲食店のメニュー開発やコンサルティングに携わる3人のプロにアドバイスしてもらった。

ポイントは商品コンセプトを
明確に伝えられるかどうか

お客が最初に目にするメニュー名は、店の重要なセールスポイント。新保克典氏は、「海外では“売れる”メニュー名を考えるメニューデザイナーという職業もあり、経営戦略の1つとして重視されている」と話す。

では、どのようなメニュー名だと売れるのだろうか? 「まずは、お客に商品特性を明確に伝えられることが大切」と強調するのは大久保一彦氏。店や商品のコンセプト、こだわり、価値などが分かりやすい言葉で表現されていると、どんな商品かをイメージしやすく、お客も頼みやすい。

例えば、肉の軟らかさがウリのトンカツ店なら、「やわらか」「箸で切れる」といった言葉をメニュー名に盛り込む。同様に、手間暇を掛けて作ることが信条の店ならば、「土鍋で3時間煮たやわらかシチュー」のように、どんな風に手間を掛けているかを具体的に表現するとよい。

今の消費者に受ける
商品特性は「健康」「環境」

消費者に受ける商品特性も時代ごとに変わる。中村新氏によると、「今どきの消費者に好印象を与えるのは、健康がテーマの商品」。最近の消費者は自身の健康や地球環境に敏感になっており、外食時も健康や環境への不安を取り除いてくれるような商品に惹かれる傾向があるという。

ほかに「健康」関連のキーワードは、「安心・安全」「エコ」「(生産者・産地)履歴」「スロー」「ロハス」「直送」「有機」「無農薬」など。これらのうち自店のコンセプトに合いそうなものをメニュー開発の軸に据え、さらに消費者にとってイメージしやすい表現にしてメニュー名に入れると訴求力が高まる。

例えば、島根県松江市のある宅配弁当店では、大手競合店との差別化を図るため、従来の宅配弁当がウリにする“安さとボリューム”に加え、“手作りの安心感”を商品特性に決めた。そして、地魚のアゴ(トビウオ)を和服姿の肥った「アゴおばさん」というイメージキャラクターに仕立て、その言葉を商品名にも使うなど、“おばさんの作る手作りの健康的な弁当”という印象を打ち出して成功した。

もちろん、健康さえ打ち出せばいいというものではない。お客の来店目的が明らかに健康以外にある店では、このようなキーワードは逆効果。例えば、ボリューム感を求めて来店するトンカツ店で「ヘルシーカツ」と名付けては、商品特性に合致せず、美味しさを感じさせないので注意したい。

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