「日経レストランONLINE」は、「日経レストラン」の休刊に伴い、3月末日をもって更新を休止することになりました。長らくご支援を賜りました皆様に厚く御礼を申し上げます。

調理・メニュー

有機って何? 無農薬とどう違う?

「有機野菜」でも農薬を使う場合もある

2006年9月11日

有機食品とは、農薬や化学肥料などの化学物質に頼らず、自然界の力で生産された食品のこと。1999年に改正されたJAS法に基づいて有機農産物と有機農産物加工食品のJAS規格が定められ、そこで示されたルールを守って生産され、「有機JASマーク」を付された食品だけが、「有機」「オーガニック」といった表示を付けることが許されるようになった。

例えば、「有機農産物」「有機野菜」「オーガニック野菜」などと表示するには、

  1. 農薬や化学肥料は原則として使用しないこと
  2. 種まきまたは植え付けの時点からさかのぼり、2年以上(多年生作物の場合、最初の収穫前3年以上)禁止されている農薬や化学肥料を使用していない水田や畑で栽培されていること
  3. 有機農作物の生産者は、生産から出荷までの生産工程管理・格付数量などの記録を作成していること
  4. 遺伝子組み換え技術を使用していない

──といった条件を満たすことが必要だ。

その上、農林水産大臣に登録された登録認定機関の認定を受けなければならず、認定に当たっては、書類審査と実地検査が行われる。また、登録認定機関は、認定を受けた農家がその後も有機JAS規格に基づいた生産を行っていることを、最低1年に1回は調査することとなっている。さらに、その登録認定機関が適正な業務運営を行っているかについても、毎年1回、独立行政法人の農林水産消費技術センターが監査を行うことになっている。

こうした厳しい基準の下で生産されることもあり、「有機農産物はどれも無農薬だ」と信じる消費者も少なくないが、必ずしもそうではない。確かに、農薬や化学肥料は原則として使用しないこととされているが、通常の有機農産物に用いる防除方法だけでは有害動植物を効果的に防除できないなど、やむを得ない場合に限り、有機農産物の国際基準に準拠した30種類の農薬の使用は認められているからだ。必ずしも「有機=無農薬」ではないことを理解しておこう。

なお、「有機」以外の安心野菜の代名詞として「無農薬野菜」や「減農薬野菜」という言葉を使う人もまだいるが、「無農薬」「減農薬」といった表現は、2004年4月1日に施行された農林水産省の「特別栽培農産物ガイドライン」によって使用禁止とされたので注意したい。

「無農薬」「減農薬」といった表現が禁止されたのは、それらには法律に基づいた明確な基準もなければ、有機野菜のような検査機関もないため。極端な話、生産者が「これは無農薬で作りました」と自己申告すれば「無農薬野菜」を語ることが可能だったためだ。

また、消費者に誤解を与えやすい表現であることも問題だった。「無農薬野菜」と聞くと化学肥料を使っていないと思いがちだが、実際には化学肥料の使用が許可されていたし、周囲の畑から飛んでくる農薬に汚染される可能性もあった。また、「減農薬野菜」と聞くと、通常の野菜より農薬使用回数が少ないと思いがちだが、「減農薬」とは、その地域で通常使用される農薬の使用回数を半分に減らすという意味。農薬を通常20回使用している地域では10回に減らすことで「減農薬」と表示できるのに対し、通常8回の地域では6回に減らしても「減農薬」と表示できないなどの問題があった。

現在では、化学合成農薬と化学肥料を共に一定(通常の5割)以上減らして栽培された農産物は、どれも「特別栽培農産物」と呼ぶようになっている。

(日経レストラン編集部)