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調理・メニュー

ナチュラルチーズの基礎知識を教えて

大きく分けて6種。初心者にはクセのないものを

2006年10月23日

1990年代に起きたワインブームと共に、チーズへの関心も高まった。チーズは大きく、プロセスチーズとナチュラルチーズに分けることができる。スモークチーズをはじめ、昔から日本人に親しまれているもののほとんどはプロセスチーズ。数種類のナチュラルチーズを加熱して溶かし、固めたものだ。

一方、百貨店や高級スーパーマーケットなどで見かける世界中の様々なチーズの多くはナチュラルチーズで、ミルクやクリームを混ぜ、ホエー(乳清)を抜いて凝固させたもの。ナチュラルチーズは、フレッシュタイプ、白カビタイプ、シェーブルタイプ、ウオッシュタイプ、青カビタイプ、ハード/セミハードタイプの6タイプに分類できる。

フレッシュタイプは、熟成させずに作る軟らかなチーズで、新鮮な牛乳の風味を味わうことができる。白カビタイプは、2~4週間の熟成期間を経てできる。これら二つは、チーズを食べなれない人にも比較的好まれる。

シェーブルタイプはヤギのミルクで作ったチーズ。表面が灰で覆われてグレーになっているタイプもあり、種類によっては、クセが強い。

ウォッシュタイプは、表面を水分や酒で洗ったチーズ。軟らかさと水分を保ったまま長期熟成させることができる。香りが強過ぎる場合は、表面の皮を除いて食べてもよい。青カビタイプは風味と強い塩味が特徴。ドレッシングやソースに使用するなど、料理にアクセントを付けるのにも役立つ。

ハードタイプは、長期熟成させた硬めのチーズ。長いものでは4年熟成したものもある。細かく削って料理にかけるといった使い方もある。

すべてのタイプを揃えられないのであれば、日替わりで2~3種類ずつ組み合わせ、「本日のチーズ盛り合わせ」として提供すればロスを減らせる。くせの少ないマイルドタイプの代表例といえばイタリアのモッツァレラ。ブルサン・アイユ、ブル・キャステロに代表されるクリーミーな青カビタイプなども初心者には食べやすい。チーズを食べ慣れた人には、ウォッシュタイプやシェーブルなどの個性的な味も好まれる。クラッカー、クルミやレーズン入りのパンの薄切り、洋なしやリンゴなどを添えるといい。チーズの種類によっては、イチゴやパイナップルのジャムが合うものもある。

チーズは熟成が進むと風味が増す。熟成は外側から進むので、円形のものなどは放射状に切るとよい。乾燥を嫌うので、保管は冷蔵庫の野菜室が理想的。切り分けた残りは、ピッチリとラップに包み、レタスなど香りが弱く水分の多い野菜と一緒に密封容器に入れて保管する。白カビタイプのチーズは、中身が少し流れ出るくらい熟成したものの方が美味しい。提供前に常温に戻すことをお勧めする。専門知識を深めるには、チーズメーカーやワインスクールのチーズ講座に参加するとよい。

ワインとチーズは、同じ産地同士だと相性が良いといわれている。また、クセが少ないチーズには軽いワイン、強い味わいのチーズにはコクのあるもの、塩気の強いブルーチーズには、極甘口のデザートワインというのが一般的。この三つはぜひ覚えておきたい。

とはいっても、チーズにはワインにしか合わないわけではない。意外に相性が良いのは、日本酒の吟醸タイプ。旨み成分が豊富で香りも強いため、チーズとも合う。特にブルーチーズとの組み合わせが良く、大吟醸酒はフルーティーな香りを引き出すという。

(日経レストラン編集部)