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調理・メニュー

「湿温蔵庫は便利」ってホント?

ピークタイムの作業を軽減できる

2007年4月16日

湿温蔵庫は庫内の湿度と温度を自動調整し、調理済みの料理を長時間保存しておくことができる機器。ファストフード(FF)、給食、ホテル業界を中心に普及してきたが、最近では惣菜店などでの導入も増えている。

湿度センサーの働きで自動的にスチーマーをオン・オフし、ドアの開閉に影響されることなく庫内の湿度を一定に保つため、自動制御できなかった従来の温蔵庫に比べ、料理の劣化をかなり防げるのが特徴。移動式の引き出しタイプ、床置きタイプ、卓上タイプ、間仕切りタイプなどがある。

湿温蔵庫がもっとも効果を発揮するのは、ピークタイムへの対応。湿温蔵庫を調理ラインに組み込むことで、アイドルタイムにあらかじめ調理しておき、ピークタイムにはそのまま提供したり、簡単な再加熱をしてすぐに提供することが可能になる。

特に、人気メニューで、調理の手間がかかるものを重点的に保存しておけば効果的だ。ピークタイムには忙しさのあまり調理にバラツキが生じがちだが、アイドルタイムにゆとりを持って一次加熱を行えるので、調理の均質化にも役立つ。

また、事前調理が可能になるため、ピーク時に必要な調理能力が少なくてすみ、結果的に調理設備や人件費の削減などを実現した例もあるという。

湿温蔵庫を導入する際、気を付けなくてはならないのが、適性温度と湿度、保存可能時間の把握だ。保存時間は食材の質や保存温度などによって幅があるので、自店の状況に合わせて見極める必要がある。すでに導入している飲食店では1~4時間程度としているケースが多いようだ。

保存温度の決定には料理の種類のほかに、ニ次調理の方法が関係する。例えば、再加熱をしないで湿温蔵庫からそのまま提供する場合、当然保存温度をある程度高く設定しておく必要があるが、70℃程度の高温で保存すると、庫内で加熱が進み過ぎる恐れも出てくる。

逆に再加熱を前提とすれば、タンパク質が変性せず、加熱が進まない温度(通常60℃以下)で保存するケースが一般的だ。それでも一次加熱後、料理の温度が高いまま庫内に入れると、ある程度は加熱が進むので注意が必要だ。

(日経レストラン編集部)