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調理・メニュー

冷凍食品の取り扱い上の注意点は?

種別ごとに解凍の仕方が異なる点に注意

2007年5月21日

国内で生産される冷凍食品のうち、業務用は実にその7割に上る。種類は、(1)水産物や畜産物などの生もの、(2)野菜などの農産物、(3)調理食品──の3つに大別される。解凍方法はそれぞれ若干異なる。

(1)の水産物や畜産物は、指で押してもへこまない半解凍状態で調理する。5℃以下の低温解凍が最良の方法だ。解凍に時間がかかることが欠点だが、時間をかけて解凍するため、解けた水分が組織の中に再吸収されドリップが出にくい。また、低温のためバクテリアの繁殖が抑えられる。さらに、解凍し過ぎを避けることができるなど、さまざまな点で優れている。

(2)の野菜類は凍ったままの状態で煮る、炒めるなど直接加熱することが原則。加工段階で品質の変化を防ぐため、下茹で(ブランチングと言う)をしているからだ。パッケージには「加熱していない」との表示があるが、これは完全調理ではないという意味で、素材には8割方、火が通っているので、むしろ加熱し過ぎないことがポイントだ。

冷凍野菜は、それぞれの野菜が大量に安価に出回る旬の時期に採れたての新鮮な素材を急速凍結して製造している。生鮮野菜のビタミンC含有量は、収穫後の流通、保存、調理の各段階で失われていくものだが、冷凍野菜は収穫後にすぐ加工、凍結されるので、流通・保存段階での損失が少ない。さらに調理時には冷凍野菜を袋に入れたままやラップをした状態で電子レンジや流水で解凍すればビタミンCの損失はさらに小さくなる。

冷凍野菜にも弱点はある。例えば、冷凍カボチャは煮崩れしやすい欠点がある。冷凍前の加熱の際、細胞内の水分が水の状態の1700倍に膨張した水蒸気に変化し、細胞膜には亀裂が入る。それが調理時にさらに加熱して亀裂が大きくなるため、生カボチャと比べて煮崩れしやすくなるのだ。もっとも、細胞が潰れている分、ペースト状にすると生カボチャよりなめらかになる。形や歯ごたえを重視する含め煮や汁の具には生カボチャ、マッシュやペーストで利用するポタージュや茶巾絞りなどには冷凍カボチャ、と使い分けるとよい。

(3)の調理食品も野菜類同様、凍ったまま加熱する。例外が茶碗蒸しで、これはいったん解凍してから加熱する。解凍が不完全だと、いわゆる「す」が入った状態になる。

最近は電子レンジによる解凍も多いが、利用時には注意が必要だ。解凍時間が少なくてすむ利点はあるが、置き場所によっては解凍ムラが生じたり、加熱し過ぎることがあるからだ。特に生ものの場合は、電子レンジで8割方解凍し、残りを自然解凍するなどの方法がよいだろう。

冷凍食品の保存期間は1年がメド。ただし、これはマイナス18℃以下できちんと保存した場合で、飲食店のように冷凍庫のドアを頻繁に開閉する場合は、もっと短くなると考えるべきだ。いったん冷凍状態が緩むと、再度凍結しても品質が劣化するし、細菌繁殖の原因にもなる。購入後、2~3ヶ月のうちに使い切ったほうがよい。

品質が劣化した冷凍食品を見分けるおおまかなポイントは、食材が割れたり、固まったりしていないか、箱やビニール袋の中にザラメ雪のような氷が多量に出ていないかといった点だ。いずれも冷凍状態がいったん緩み、食材の中の水分が外に出た後に再び冷凍状態になった場合に現れる現象で、冷凍食品がこのような状態になっている場合は購入しないほうがよい。

(日経レストラン編集部)