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調理・メニュー

メニューブック作りの基本を教えて

2007年11月1日

メニューブックは単なる「献立表」ではない。むしろ飲食店で一番重要な販促手段だ。

メニューブック作りの第一歩は、自分の店の業態をしっかり見定め、高級、中級、大衆のどのランクに位置しているのかを把握することから始まる。自分の店をしっかり把握していれば、メニューブックのデザインや仕様によって意識的に店のコンセプトをある程度変えたり、格を高めることも可能になる。

全体のイメージが決まったら、次に大切なのは何を売りたいかを決め、そのメニューをアピールするデザインにすること。あるメニュー製作会社は「メニューのデザインは“泥臭さ”と“美しさ”のバランスがポイント」という。「美しさ」とはお客の立場から見やすく、選びやすく、楽しいものであること。そして、「泥臭さ」とは、店側から何を売りたいかが主張できていることだ。

売りたいものを強調する方法の一つは、売りたいものから並べること。ブック形式の場合は、当然表紙からめくっていくので、1ページ目にお薦めメニューを載せる。また、お客が横書きで左開きのメニューを見たときの一般的な視線の動きは、「左上→左下→右上→右下」という順番。売りたいメニューからこの順に配置するとよい。

価格については、一般に安い潤に並べると客単価が下がり、高い順にすると客単価が上がるとされている。メニュー本位で選んでもらうには、意識的に価格をばらばらに並べる方法もある。

メニューに写真を載せる店も多くある。「写真を一緒に載せたメニューは、文字だけのメニューに比べ、絶対によく売れる」という経験則は、写真メニューを導入した経営者が口を揃えて言うことだ。

ただし、ランクの高い、接待に利用するような飲食店の場合は、逆にメニューはすべて文字だけで、写真やイラストは使わないのが一般的だ。接待される側に渡すメニューには、あえて価格表示をしない店もある。

使用する字体にも配慮したい。一般的に、ゴシック体や明朝体が使われることが多いが、和食のお店の場合など、毛筆体の文字を使うことで、落ち着いた和風のイメージをより強く印象付けられる。

特定の商品をアピールするには、部分的にメニュー名の字体や色を変えたり、メニューの番号に色を付けて強調すると、お客はその商品にまず目を向けることになる。ただ、こうした文字による強調は、度を越すと下品になってしまう。お客にもあまりにも押し付けがましく感じられる可能性があるので、注意が必要だ。

一方、同じメニュー内容でも、商品名の付け方によって、印象は変わってくる。

例えば、「フライドポテト」を「あつあつフライドポテト」にするだけで、作りたてのおいしさをリアルに伝えることができる。メニューに産地名を付けるのも効果的な手法だ。例えば、「やまかけ」を「焼津産マグロのブツ切りのやまかけ」とすれば、品質の高さと、食材に対する強いこだわりをアピールできる。

最近は、パソコンやカラーコピー機などを利用して、比較的低価格でカラー写真のメニューを製作する会社もある。これだと一般のカラー印刷の約半額で印刷できるようだ。

メニュー製作だけを手がける会社はなく、印刷会社やデザイン事務所などが副業として作っているケースが多い。業者選択の際には、これまでの実績を多く見せてもらい、経験豊富で信用できる業者に頼むことが大切だ。

メニューブック作りのポイント

  • 一番売りたい料理を、横書きの場合には中央あるいは左上に、縦書きメニューでは右上に置く
  • 店の看板メニューがひと目で分かるように
  • 料理の内容や特徴、価格、時にはカロリーなども含めて、商品情報を伝える
  • 「これって何だろう?」と思わせるキャッチコピーやメニュー名などで興味を持たせる
  • 「シェフお薦め」「限定10食」などの言葉やマークを添え、「注文しないと損」と思わせる
  • 店のロゴマーク、キャラクターなどをアイキャッチとして使ったり、店のコンセプトや商品に込めた思いをメニューブックの中で書くと、店を印象付けられる
  • POPは、イラストや写真を使って「読む」というよりも「見せる」工夫を

(日経レストラン編集部)