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調理・メニュー

日本酒にはどんな種類がある?

味の個性を活かすため、保存や提供温度に気を付ける

2008年2月7日

日本酒の種類を表す用語には次のようなものがある。

生酒……製造後、加熱処理を一切行っていない日本酒。一般に、日本酒は貯蔵中の品質劣化を防止する目的で、酵素の働きを止めるために加熱処理をするが、生酒は酵素をフィルターなどでろ過して除去する。

生貯蔵酒……加熱処理をせずに貯蔵し、出荷直前に加熱処理をした日本酒。

原酒……一般的に日本酒は製造後、水を加えてアルコール分などの成分を調整(加水調整)するが、「原酒」は基本的には加水調整をしない。ただし、アルコール分1%以内の加水調整に限り認められている。

にごり酒……熟成もろみ(出来たてで、カスをこしていない酒)を目の大きさが3mm以下の網でろ過した白濁した清酒。

生一本……単一の製造場だけで製造された純米酒。

樽酒……木製の樽で貯蔵し、木の香りが付いた日本酒。販売するときはビンなどに入っていても構わない。

本醸造酒や吟醸酒は、一般の日本酒(普通酒)と区別して、「特定名称酒」と呼ばれ、原料、製造方法の違いによって分類される。基準のひとつである「精米歩合」とは、コメの表面をどの程度削ったかを表すデータで、「70%以下」の場合、表面を30%以上削ったことになる。コメの表層部には酒の味に雑味を加えるタンパク質や脂質が多く、それを減らすために削るわけだが、味や香りなどは良くなる反面、製造コストは高くなる。

吟醸酒、大吟醸酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒といった吟醸造りは、一般に固有の香味や色沢が良好で、個性が際立つ酒とされる。コメと米麹を原料にし、精米歩合の高いコメを、低温でゆっくりと発酵させて造る。

これら特定名称酒以外に、生酒、原酒、にごり酒といったものがあるが、これらについても基準を満たせば、日本酒の醸造過程の違いを特定の名称で表せる。

日本酒の味の「辛口」「甘口」を数字で表した尺度が「日本酒度」と呼ばれるものだ。+(プラス)の数字が大きくなるほど辛口で、-(マイナス)の数字が大きいほど甘口となる。日本酒の比重を表した数字で、4℃の水の比重をプラスマイナス0とし、これより比重の大きいものをマイナス、小さいものをプラスとしている。糖分が多いほど重く(比重が大きく)なるので、一般的に甘口になるほどマイナスの数字が大きくなる。ただし、日本酒の甘辛は、アルコール度数などにも影響されるので、日本酒度だけでは判断できない。

日本酒の味を表現するもうひとつの指標が「酸度」。これは、日本酒に含まれるコハク酸、リンゴ酸、乳酸などの酸の量を表す。これらは味に酸味や旨みをもたらし、同じ日本酒度の酒では、酸度が高いと甘みが打ち消されて辛く、逆に酸度が低いと甘く感じる。

日本酒と相性の良い料理は、あっさりしたタイプの酒なら、生の魚介類を使った料理など、さっぱりしたものを。一方、コクのあるタイプの日本酒には、濃厚な味わいの料理、脂っこいものなどを。熟成させた古酒であれば、こってりした洋食やチーズなどとも合う。

日本酒は、ワインと同じくらい保管に注意を要する。温度や光に対し、極めて敏感に反応するためだ。温度は1~8度前後。温度変化が少ない冷暗所が保管場所としては理想的だ。ワインのようにコルク栓ではないので、湿度が高い必要はない。湿気が多いと、かえってサビやカビの原因になりかねない。

ワイン同様、日本酒も種類によって、最適温度は異なる。吟醸酒や大吟醸酒、生酒は、香りが飛んでしまうので、冷やで提供するのが基本。生酒なら7℃前後、吟醸酒なら10℃程度が適当だ。

純米酒についても、基本は冷やだが、燗をする、しないは好みによる。新しい銘柄を入れたときには、いろいろな温度で燗をし、試してみるとよい。従業員全員で利き酒をして、マニュアル化している飲食店もある。

燗の温度は、45~55℃の間の温度が好まれている。酒燗器を使う場合には、こまめに掃除をして衛生的に保つことが、美味しく提供するために重要だ。前日の酒の残りを入れたままにするのは論外。

開栓前は常温の状態で置くことも多いが、美味しく飲めるのは常温なら夏で3カ月、冬で6カ月が限度。開栓後は冷蔵庫で保管すべきだ。ワインほど劣化は速くなく、冷蔵保存すれば3カ月ぐらいはもつが、なるべく早く提供しよう。こだわる店では、開栓後3日たったら料理酒にしてしまうというところもある。

(日経レストラン編集部)