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集客・販促

ポイントカードの上手な使い方は?

目的に応じて紙・磁気カードの使い分けを

2006年6月15日

ポイントカードシステムとは、お客の会計額に応じて付与する点数を専用端末でカードに印字し、その点数に応じた特典をお客に還元する、顧客囲い込みを目的とした販促手段の一つだ。

カードのポイント表示形式は、主に2種類ある。獲得ポイントを数字で表示する「数字印字方式」と、獲得ポイントに比例して特定のマークが増えていく「マークアップ方式」だ。前者は熱の作用で印字面に化学変化を起こし、文字を書き換える、PET製のサーマルリライトカードが主流で、後者には紙製とPET製の両方がある。

一般的にPET製の方が耐久性に優れているが、紙製でも多くは表面にコーティングがしてあるため、折ったり濡らしたりさえしなければ、長期の使用に耐えられるとされている。

マークアップ方式の場合、紙のカードにスタンプを押していくという、安価な方法もとれるので、導入までの敷居は低い。

印字を行う端末は、一般にカードリーダーと呼ばれ、印字機能に特化したものと、カード利用者の購買記録などの情報を管理できるものとがある。情報の管理は、端末単体で行うもの、POSと連動させるもの、記憶媒体(メモリーカードなど)や電話回線などを媒介にして、パソコンで行うものなどがある。

ポイントカードとは呼びにくいが、携帯電話向けメールサービスと連動させたシステムもある。お客の携帯メールのアドレスを登録させ、そのアドレス向けに2次元バーコードなどの目印を送信しておく。来店時にその目印をスキャナーで読み込むことによって、来店を確認し、その売り上げデータと共に顧客管理システムに蓄積しておき、次に配信するメールで蓄積したポイントを告知するという仕組みだ。

最近は、お客の側に「様々なカード類で財布が膨れる」といった不満があったり、来店時にポイントカードを忘れることもある。だが、携帯電話は肌身離さず持っているものだし、カードを発行せずにすむという店でお客にも歓迎されそうだ。

お客に対する特典は、そのお客の総購入額の5~10%を目安にしている店が多いようだ。特典は、店側が定めたゴールの点数に達した時に、食事券や景品を進呈する「満点方式」と、ゴールに達するまでにいくつかの基準を設け、その基準に達したら食事券や景品と交換可能にする方式が主流だ。後者の場合は、一定の基準に達するごとに小刻みに景品を渡す場合と、景品と交換したらゼロからスタートし直す場合とがある。

利用金額に対する点数の設定は、端末で自由にできるので、雨の日やお客の誕生日に利用した場合には、ポイントを通常の2倍にするといったイベント性を付加すると、販促効果が高まる。

また、カードの渡し方によって、得られる効果は異なる。事前にお客の名前や住所などの属性を尋ねてからカードを渡す場合は、DMなどを発送できる顧客リストの数を増やすことにつながる。逆に、最初はカードを無選別に配布し、景品との交換時に初めて属性を聞く方法の場合は、最初に名前を書かなくてよい分、お客の心理的な負担が減るメリットがある。その結果、参加するお客の数は増えるし、カードを回収することによって、自然と利用頻度の多い顧客のリストが集まることになり、優良顧客へのサービスを重点的に行うことが可能になる。

無料でカードを配る飲食店が多いが、100円程度の入会金を徴収する店もある。これはカードの発行コストをまかないたいという以上に、「ひやかし」による参加を防ごうという目的があるようだ。

ただし、個人情報保護法が施行されたため、ポイントカードに関連した個人情報の収集には注意が必要だ。すべての飲食店がこの法律の対象になるわけではないが、お客側の個人情報に対する関心が高まっているので、情報流出への対策には万全を期しておかなければならない。また、収集した情報は、事前に同意を得た目的以外に使用できないので、「景品を送るため」「以後、お店からの案内を送付するため」と、お客に伝え、同意を得ておかなければならない。

(日経レストラン編集部)