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集客・販促

アンケートの回収率を上げるには?

目的別にやり方を変え、必要以上に集めようとしない

2006年7月24日

まずは、何のためにアンケートを実施するのか目的をはっきりさせることが重要だ。お客の声を聞くためなのか、それとも顧客名簿を作りたいのかで、その手法も変わってくる。

意見を聞くことだけが目的なら、無記名で十分。一般に、お客はわざわざ名乗ってまで苦情を伝えたいとは思わないからだ。記入した人に割引券を渡すなどの特典を付ければ名前や住所を書いてくれる人もいるだろうが、店側の懐が痛む割には回収率が低いのが一般的で、メリットはあまりない。

特に、2005年4月、個人を特定できる情報の適正な取り扱いを目的とした個人情報保護法が施行されて以来、お客の情報管理に対する意識は格段に高まっている。個人情報の管理態勢が整っておらず、お客から管理方法について質問された際に適切な説明ができなければ、クレームにつながる可能性もある。「無駄な個人情報はできるだけ収集しない」が原則だ。

ただし、お客の名前や住所といった個人情報を集め、顧客名簿を作るのなら、そうも言っていられない。この場合はまず、アンケート用紙に個人情報の利用目的をできる限り特定して通知・公表する必要がある。「この用紙にご記入いただいたお名前、住所などは当店の商品・サービスに関する情報のお知らせに利用いたします」といった具合だ。なるべく広い用途に使おうと、「事業活動に用いるため」などと漠然とした表現にしては、利用目的を特定していないとみなされるので、注意が必要だ。

記名式アンケートの回収率を上げるためには、アンケート用紙をテーブルに置くのではなく、従業員がペンと一緒に手渡しするようにするとよい。差し出すタイミングが遅過ぎれば、お客は記入を断って帰ろうとするため、下膳時や、お茶のお替わりを持っていく時が最適だ。

頼む際は、ごく普通に「アンケートにご協力願えませんか」と言っても構わないが、「料理はお口に合いましたか」と切り出して、少し会話をした後で用紙を差し出すと、かなりの確率で名前や住所を書いてもらえる。会話を通してお客の生の意見も拾えるため、一石二鳥だ。

名簿を作るためのアンケートは、何も来店客全員を対象に行う必要はない。常連客だけでもいいし、特定客層に絞って名簿を作ってもいい。要は、名簿を使って何をするか、だ。

「一度でも来店してくれたお客様にはDMを打ち、固定客作りをしたい」のなら、できるだけ多くの顧客データを集めるべきだが、「女性客を増やしたいので、女性だけにDMを送りたい」と考えるのなら、女性客だけにアンケートを渡す。もっと絞り込んで、「若い女性の2人客」というのも可能だ。客層を絞れば、ピーク時でも用紙の手渡しはさほど負担にならないし、後日、礼状やDMを送る時にも、手間と費用を抑えられる。

「アンケートを特定客だけにお願いすると、ほかのお客の気持ちを害するのでは」と心配する必要はない。他のお客は、「常連客だから店の人が話しているのだろう」と解釈して、気にしないもの。仮に何か尋ねられたとしても、「女性の意見を集めているもので」などと、正直に答えれば納得してくれる。

個人情報が詰まった顧客名簿は鍵を掛けられる戸棚に入れたり、パソコンにデータとして保存する場合はパスワードでロックするなどして、不特定多数が見たり持ち出したりできないようにしよう。経営者や店長が管理するのがベストだ。

(日経レストラン編集部)