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集客・販促

グラスワインの上手な売り方は?

アイテム絞り、スタッフ全員で薦める

2007年11月22日

グラスワインを用意することは、いまや酒を提供する飲食店では当たり前になりつつある。ボトルに比べて単価が低い、余ったワインがロスになってしまう、など管理の難しさはあるが、売り方次第では、お客の満足度アップや客単価アップのツールにもなり得る。

ある店では、各地のバラエタルワインを揃えてグラス販売をし、成功している。バラエタルワインとは、カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネなど、原料となるブドウ品種名をラベルに明記したワインのこと。原料となるブドウ品種名ごとの味の違いが分かりやすいのが特徴だ。

この店ではそこに着目し、5種類を用意して1杯500~850円で販売した。ポイントはそれぞれのグラスに品種の特徴を記したラベルを付けたこと。これが女性客に大好評だという。

別の店では、利き酒感覚で楽しめるグラスワインのセットを作っている。ワインは3~5種類揃え、小ぶりのグラスに60ccずつ注ぐ。お客の6割以上が注文するヒット商品だ。お客自身が好きなワインを分かるようになるだけでなく、店側もお客の好みを把握することができ、次の来店時にボトルを上手に薦めることができたという。さらに、料理と相性のよいものがどれなのか、というデータも集めることができた。

効果的に販売するためには、テーブルウォッチングをし、セールスチャンスをうまくつかむことが重要だ。

ボトルの注文を受けた場合は、お客の食事の進み具合や、飲むペースを見ながら、飲み終わるタイミングを見計らってグラスワインを薦めるのが一つの方法だ。白のお客にはグラスワインで赤を、赤ワインのボトルを注文したお客には、グラスワインで違う赤や甘口の白を薦めるようにするとよい。

比較的高価なものや、個性が強く、ボトルの注文が少ないワインも、グラスワインだと薦めやすいという利点がある。グラス売りしにくいといわれるシャンパンも、食前酒として薦めたり、前菜と合わせて薦めることで、無駄なく販売できる。特に、小規模店の場合、アイテム数を増やしすぎると在庫が多くなるため、特定のワインを重点的に売っていくことがポイントだ。

ある居酒屋ではカウンターに大きなシャンパンクーラーを置き、氷を盛ってシャンパンと白ワインを冷やし、グラスワイン用に提供している。見た目が華やかで、提供温度にも配慮できるちょっとした工夫だ。いずれにしてもテーブル上にPOPを置いたり、サービスする従業員に薦めさせたりするなど、積極的にグラスワインを売っていこうという姿勢が重要だ。

ちなみに、ボトルを開けたら、その日のうちに売り切るのが理想だが、しっかりと栓をして冷蔵庫に保管しておけば、翌日くらいであればほとんど問題はない。常温で提供する赤ワインも味の劣化を遅くするため、保管は冷蔵庫に入れたほうがよい。

ワインの酸化を防ぐための保存器具もいろいろ出ている。実用的で保存の効果が高いのは、ボトルから空気を抜いて、ほぼ真空状態のまま保存する器具。使用法が簡単で、保存期間は通常の3倍程度になる。窒素と炭酸ガスを混合した不活性ガスを利用して、ボトル内の空気を追い出す方法もある。ワイン専用の不活性ガススプレーがあり、これを使えば保存期間は約1週間になる。

避けたいのは、開栓して時間が経ったワインと新しいワインを混ぜること。少しでも酸化の度合いが違うと、新しいワインの味を損ねることになる。

(日経レストラン編集部)