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採用・教育

言うことを聞いてくれないスタッフへの対応

2006年1月19日

まずは経営者が自分の態度を見直すこと

「私に調理経験がないから、板前がメニューや食材に関する指示を聞き入れてくれない」と頭を抱える経営者を時々見かける。

調理人に辞めてもらうのが一番簡単な解決策と思いがちだが、それでは同じことの繰り返しになりかねない。安易に人を入れ替える前に、まずは経営者自身が、調理人に対する態度を見直してみることだ。

「命令者」対「作業者」という構図で、従業員が自分の言うことを聞くのは当たり前と思っていないだろうか。調理人は職人気質で、プライドを持っている。それを無視し、一方的に命令すれば、反発してしまう。感情的なもつれをほぐし、信頼関係を築くことが最優先課題だ。

そのためには、仕事を名目に、コミュニケーションを図る機会を作ることをお勧めする。例えば、定期的に商品開発会議を設け、季節メニューや販売促進メニューの企画・開発に参加させるのだ。調理人の意見が一部なりとも取り入れられれば、次の仕事への意欲や積極性も出る。さらに、増えた売り上げや利益の一部を配分するシステムを作るのも一案。インセンティブとして効果を発揮し、経営への参画意識が高まってくる。

経営者が「こんな料理を導入したい」といった考えを持っていれば、調理人にビジョンを伝えた上で、それに近い商品を提供する他店に連れて行くのも良い方法だ。職人には、井の中の蛙のような面があり、経験の範囲内でしか料理を発想できない人も少なくない。他店の料理を見て分析、評価することを繰り返せば、料理を自分の作品としてでなく、商品として考える姿勢も養われる。経営者の意図に対する調理人の理解が深まり、指示に納得して従う場面も増えていくだろう。

経営者の努力にもかかわらず、調理人の態度が改善されない場合には、最終判断として、解雇を決断すべきだろう。ただし、後任の採用では、面接の段階から経営者と従業員というお互いの立場関係を明確にし、後々のトラブルを避けるようにしたい。「経営サイドで開発したメニューを指示通りに作ってもらうが、それでいいか」と確認し、文章化しておくことも必要だ。

(日経レストラン編集部)