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採用・教育

業績賞与を効果的に運用するには?

単純な売り上げ連動はダメ。目標達成度で判断する

2006年9月14日

成果主義の給与制度では、月給は世間相場に見合った額を支払う一方で、個人の貢献度は、賞与の支給額に反映させる場合が多い。ただし、それだけでは従業員の店舗運営への当事者意識が生じない。望ましいのは、店の業績の善し悪しを、店で働く社員一人ひとりの賞与に反映させることで、店舗運営への参画意識を高めることだ。

ただし、賞与に業績を反映させる場合、売り上げの増減だけを店舗の評価基準とすべきではない。なぜなら、売り上げアップが期待できない厳しい経営環境の店で働く従業員が、努力して売り上げの落ち込み幅を最小限に抑えたような場合、単純に売り上げの増減率だけを見て賞与の金額を下げると、従業員の働きぶりが公平に評価されず、モラールダウンにつながるためだ。

店の業績を評価する時は、事前に店ごとに複数の目標を立て、それに対する達成度で評価する方式が効果的だ。

その流れを簡単に示すと次の様になる。

  1. どんな経営指標を加味するか、項目を決める
  2. 各項目のウエートを決める
  3. 各項目について、向こう1年間の目標値を設定する
  4. 実際に達成した数値と目標値を比較する
  5. 達成度を計算し、「業績ポイント」を決める
  6. 「業績ポイント」を合算、「合計業績ポイント」を算出
  7. 算出結果を、賞与の支給額に反映する

賞与は半年に1回支給することが多いので、半年ごとに目標と実績を比べればよい。

各項目のウエートに、実績値と目標値を比較した達成度をかけ合わせることで、業績ポイントが決まる。ちなみに、個別の目標値が高過ぎたり、低過ぎた場合は、経営判断で、業績ポイントに困難度の評価係数をかけて調整する。係数は1.0を標準に、目標が高過ぎた場合は最高1.4、低過ぎた場合で最高0.6程度の幅を持たせる。

業績ポイントは、項目別のものなので、すべての項目のポイントを合計して、その店の「合計業績ポイント」を算出する。

次に、各店の合計業績ポイントを大きい順に、例えば5段階に分ける。最も評価が高いレベルをS、続いてA、B、C、Dに分ける。この時、Bランクに全体の半分程度の店を集中させ、残りを上下に割り振ると、過度の格差が生じにくい。

割り振りを終えたら、Sランクの店は1.2、Aランクは1.1、Bランクは1.0……と、ランクごとに係数を決める。その上で、従来方式で計算した社員一人ひとりの賞与金額に、各店のランクに応じた係数をかけ合わせる。こうすれば、目標への達成度が高い店で働く社員の方が、多くの賞与を獲得できる。

計算した結果、賞与支給額の合計が当初の予定を超える場合もある。仮に、従来は給与2カ月分を賞与として支払っていたのに、計算上2.2カ月分が必要になるとしたら、計算した金額に、「2(カ月)÷2.2(カ月)」をかけ合わせて修正する。当初予定を下回る時も同様に調整すればよい。

(日経レストラン編集部)