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採用・教育

ホールと調理場の仲が悪い

とにかく話し合い、互いの権限についてルールを確立

2006年12月4日

アルバイトや若手社員を活性化させる以上に難しいといわれるのが、サービススタッフと調理人との関係。意思疎通がうまくいっている時は、相乗効果が生まれるが、反発し合うと店の運営に大きな支障が起こる。

大手企業の工場事業所の飲食サービスを受け持つ、ある業者の支配人は、「調理長とホール担当の店長が、互いの権限についてルールを決めれば、トラブルは未然に防げる」と語る。実際、この支配人は調理長とことあるごとに話し合い、ルール作りをしている。基礎となるのは次の四つだ。

1.契約にかかわるような大きな変更を除き、調理長は支配人と相談の上、自由にメニュー作りができる、2.支配人は料理について意見を言えるが、味の嗜好には口を出さない、3.新メニュー導入の決定権は支配人が持つ。ただし、導入しない旨を調理長に伝える時は、必ず一対一の時にする、4.調理部門の従業員に対する注意は調理長がする。支配人が見つけても、調理長経由で行う──。

支配人は、意見をはっきり言うことができ、調理長もプライドを傷つけられることなく、仕事に取り組める内容だ。とはいえ、これで完全にトラブルを防げるわけではない。この支配人がユニークなのは、問題の火種が見えると、早めにそれを表面化させ、調理長と議論の末、新しいルールや解決策をあみ出す点だ。

例えば、本来栄養士は、メニュー作りなど、支配人を補佐するのが仕事。ところが、この事業所では人手が足りず、栄養士まで現場で調理作業や発注業務をこなし、調理長の部下さながらに働いてきた。

「栄養士を本来の仕事に戻してほしい」という支配人の申し入れに、調理長は大反発。そこで支配人は、「栄養士が現場作業に忙殺されるのは、やはり不自然。調理部門は規定通りの人数がいる。業務を効率化できる余地はあるはず」と主張すると同時に、調理補助のパートを補うことを約束し、調理長を納得させた。

「『なあなあ』の関係は、気楽なようで実はトラブルを育てる温床になる。面倒でも、ルールの確立が、関係を円滑にする第一歩」。支配人は、こう力説する。

(日経レストラン編集部)