投資額0円から始める店のバリアフリー化

先入観を捨てて障害を理解

まず最初に、どんな人が、どんな不便さを感じているかを検証する。以下、自分の店で検証する際の手掛かりとして、障害別の特徴を挙げる。


視覚障害のある人

目が全く見えない人だけでなく、視力が弱い、視野の一部が欠けて見える、暗いと見えにくい、色の区別の仕方に特徴がある、などの人がいる。

特に、全く見えない人や極端に視力が弱い人の場合は、音を頼りに情報を得ている。文字や絵だけの表示やメニューが役に立たないだけでなく、点字を読める人も1割程度と決して多くない。

対応のポイントは、まずこちらから声をかけること。また、「これ」「それ」などの指示語では意味をなさないので、「30cm前方にコーヒーがあります」と伝えたり、了解を得た上で手を取って食器に触れさせて説明するなどのサポートが喜ばれる。「友達に電話で説明するように考えると、伝え方がイメージしやすい」(星川氏)。

聴覚障害のある人

※絵記号例は共用品推進機構のホームページからダウンロードできる。

全く聞こえない人だけでなく、聞こえにくいという人もいる。補聴器を使っている人でも、よく聞こえているとは限らない。

聴覚障害のある人は視覚を頼りに情報を得ているので、例えば店の奥から「いらっしゃいませ!」と声を掛けただけでは、分かってもらえない。

接客時には、最初にコミュニケーションの手段を確認すること。全員が手話を使えるわけではない。他に指文字(指のサインで50音の1音ずつを表すもの)、筆談、口話・読話(口の動きを読む)などの方法がある。

また、物や行動などを絵記号にしたカードを用意しておけば、記号を指し示すことで簡単にコミュニケーションが取れる。2005年には、「コミュニケーション支援用絵記号」がJIS規格化されたので、これを参考に作るとよい。

肢体不自由のある人

車椅子を利用している人は、介助が必要だと分かりやすいが、外見からは障害があるかが分かりにくい人もいる。

車椅子を利用する人に対しては、会話の際、こちらも腰を落として視線の高さを合わせるなどを心掛けたい。車椅子を押すなどの介助をする場合は、それを望むか、車椅子に触れてもいいかを先に尋ねること。

また、車椅子ならば障害があるのは足と思いがちだが、腕や手などにも障害を持つ場合がある。さらに、体温調節がうまくいかない人もいるので、寒そうにしていたり暑そうにしていたりしないかなどにも注意したい。

身体障害者補助犬への対応は?

身体障害者補助犬法により、2003年から民間の飲食店や宿泊施設等でも、盲導犬、聴導犬、介助犬を伴った人を受け入れることが義務化された。

盲導犬はハーネスを付けているのでそれと分かりやすい。聴導犬、介助犬は、「身体障害者補助犬法附則第三条による表示」というカードを携行しているはずなので、それを確認することでペットと区別できる。

犬の衛生面が気になるところだが、身体障害者補助犬は、使用者に衛生管理を義務付けている。それでも万一不衛生さが目立つ犬だった場合は、理由を話して断ることができる。

Next: 障害ではなく人に対応する

前のページへ次のページへ
最新お薦め記事一覧
バックナンバー