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店舗・内装

下水道設備のない地域での排水法は?

合併処理槽を設置し、メンテナンスを行う

2006年2月2日

飲食店の排水は家庭のそれと同様、汚水、雑排水、そして雨水の三つに分類できる。汚水は大便器、小便器、掃除流しなどから排出される固形物を含む排水。それに対して雑排水(生活水)は、厨房機器、洗面器、洗浄用シンク、食器洗浄機などから排出されるものを指す。

下水道のある地区では、これらを別々に遠隔地の施設へ送って処理しているが、下水道のない地区では、排水を個々の事業所で処理して、河川などへ放流しなければならない。その処理に使われるのが合併処理槽という設備で、汚水中の固形物を栄養源として活発に働くバクテリアを利用して、雑排水も同時に処理する。

合併処理槽のサイズは、事業所の規模によって異なり、一般に20人槽、30人槽、100人槽と表現する。郊外型飲食店の場合は、駐車場の一角に埋め込んで設置するが、ファミリーレストランなどでは100人槽クラスの大型のものを使用し、費用は700万円前後にも上る。

汚水はそのまま処理槽の中に流せるが、飲食店の場合、雑排水をそのまま流し込むことはできない。生活排水と違って絶対量が多く、大量の油脂や食材の残りカスを含んでいるからだ。バクテリアは汚濁された水の浄化はできても、それらを分解するほどの力はない。

そこで、合併処理槽を使う店舗では、グリーストラップを厨房内の洗浄シンクや洗浄機の付近のほか、処理槽の手前にも設置し、これを掃除することで、カスや油分を十分に取り除く。また、しょう油などの塩分、シロップなどの過剰な糖分、強アルカリや酸性の洗剤などは、直接流さないようにし、避けられない場合は、必ず十分な水を同時に流す。

処理槽がうまく機能しているかどうかは、すぐに分かる。バクテリアが減少したり、油脂やカスがたまり過ぎると、排水が濁り、悪臭が漂う。流すものの種類に注意し、処理槽の清掃をきちんと行うという、当たり前のことが最も大切だ。通常、専門の業者と保守契約を結び、月に1回程度の点検と清掃を行う。

排水の水質規制は、地方自治体で基準を定めていることが多いので、地区の下水道局などに尋ねるとよい。

(日経レストラン編集部)