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店舗・内装

後悔しないための椅子・テーブル選びは?

売上だけでなく、座り心地や作業のしやすさ、耐久性も考慮

2006年2月9日

文=大谷珠代

椅子やテーブルは、お客が直接触れることが多く、どんなデザインのものを選ぶかによって店の印象を大きく変える重要なツール。また、その高さや大きさ、並べ方は、お客にとっての居心地の良さだけでなく、店の席効率やオペレーション効率をも左右するので慎重に検討したい。

天板の広さ決めは慎重に

テーブル選びでまず覚えておきたいのは、天板の広さに関する考え方だ。

天板の広さは、売上目標から割り出した席数から、「この広さでないと30席入らない」などと考えがちだが、その視点だけでは不十分。「席数を無理に増やした結果、テーブルが必要な寸法より小さくなり、皿が載り切らずにサービス回数が増えてしまうことや、通路の幅が十分に取れないこともある」(キッチンエヌの中村新社長)からだ。使う食器の数や大きさ、接客のコンセプトなども考え合わせよう。

業態別のテーブルの広さの目安は下表の通り。一般的に飲み物中心の業態より食事性の高い業態の方が広さが必要だ。特にフレンチなどのように皿をたくさん並べる店は、テーブルの幅は1人当たり65~75cmは取りたいところ。ラーメン店なども、箸や水を置くと案外スペースを取るので1人60cmあるのが望ましい。さらに、焼き肉店やお好み焼き店のように鉄板がある店は、1人70~75cm取ると共に、鉄板からテーブルの端までの長さも25cmは確保しよう。必要なテーブルの広さを事前に実感したければ、「使う食器と同じ大きさに切ったボール紙を床などに何枚も並べて見る」(エイアンドティー.ティの上木草平社長)のも手だ。

回転数や満席率も考慮

テーブルの広さは回転率や満席率にも影響するので、その点を考慮することも大切だ。一般的に1人当たりのテーブル幅が広いほど滞在時間は長い。逆に、席幅が小さい店やカウンター、相席可能な大テーブルは、滞在時間が短く、回転率を上げやすいといわれる。

ただし、最近はラーメン店などでも席幅をゆったりと取る店が増えている。「オペレーションが追いつかず、席に着いたお客を待たせるぐらいなら、外で待ってもらう方がお客のイライラも少なくなるし、行列もできやすい」(上木社長)という背景がある。

もう1つ、2人席や4人席の比率についてだが、満席率を上げるには、通常、2人席を増やした方が効果的だ。

「4人席に2人しか座らないと満席率は50%になるが、2人席ならそんなロスが出にくいし、大人数のグループのときはテーブルを複数組み合わせればいい」(ミュープランニングアンドオペレーターズ・山際純平設計室チーフ)からだ。4人用だと1脚で済むところを2人用だと2脚なので初期投資はかかるが、長い目で見てどちらが得かを考えたい。また、組み合わせやすさの点では円形より四角形の方がいい。

テーブル・椅子の高さは?

お客の座り心地を考えると、テーブルや椅子の高さに気を配ることも大切だ。特に注目したいのは、テーブル上面と椅子の座面との距離。「食べやすさを考えたとき、椅子の座面からテーブル上面の距離は、食事性の高い店の場合、お客の背筋が伸びる約30cmが標準。バーなど飲み物主体の業態では35cm前後が目安」(上木社長)だ。

また、テーブルの天板に厚みがある場合は、太ももが窮屈になりがちなので、座面とテーブル下面の間隔も20~25cmは確保したい。

椅子がテーブルの下にちゃんと入るかどうかも留意点の一つだ。椅子・テーブル選びでよくある失敗の一つが、椅子の奥行きや幅が思ったより長く、テーブルの下に入らず通路、動線を狭めてしまうこと。「図面上は収まっていても、トラブルが起きることは意外に多い」(山際氏)ので、実物を目で確かめる、寸法を細かく測定するといったことを心掛けたい。

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