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店舗・内装

小規模店でもできる店内の分煙化

2006年3月30日

適正な席数比で売上高確保

非喫煙者にも及ぶタバコの健康リスクが指摘されると共に、健康増進法の施行もあって、公共施設の分煙が進んでいる。健康増進法では、飲食店にも「受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずる」ことが努力義務として定められているので、無関心ではいられなくなっている。

ただし、実際に禁煙や分煙に取り組む場合は、自店のお客の来店目的と実態をよく見極めておく必要がある。禁煙や分煙の措置をとった先には、客数減という落とし穴があるからだ。

「ベックス・コーヒーショップ」武蔵小杉店の場合、駅構内という立地からもともと喫煙目的での来店が多かった。同店が全面禁煙を実施したところ、客数が30%ダウンという打撃を受けた。これをほぼ半々の比率の分煙に変えたところ、2カ月後に客数は禁煙前の5%減まで回復した。

喫煙人口

男性の5割近くが喫煙者。女性の喫煙者は1割程度。男女合計では3割程度が喫煙者


禁煙や分煙に取り組む際は、このような客数減のリスクを計算しておくことが重要だ。その際、全国的な統計を頭に入れておくと参考になる。上のグラフは、日本たばこ産業(以下JT)が2005年に調査した喫煙者の割合。これによれば、男性の半数近く、女性の1割強、全体では3割程度が喫煙者であることが分かる。

つまり、仮にある店が喫煙について何も手を打っていない場合、たまたま来店した男性客の半分、同女性客の9割近くが店に対して不満を抱く可能性がある。逆に全面禁煙にした場合も、男性客は同じく半数近くが、女性客は1割強が不満を抱きかねない。

もちろん、「街の中で喫煙可能な場所が減ってきているため、喫煙目的で喫茶店を利用するお客が多い場合がある」(JTたばこ事業本部社会環境推進室の岩上伸介課長)など、店の性格や立地などによって、自店の状況と全国的な統計とは違ってくる。まずは、自店のお客をよく観察し、喫煙者と非喫煙者の割合から適正な比率を決めることだ。

分煙のメリット

消費者のニーズに合う 非喫煙者:煙や臭いを避けたい
喫煙者:非喫煙者とのトラブルを避けたい
非喫煙者の健康を守る受動喫煙の害を減らすことができる
法令の順守健康増進法第25条:飲食店も受動喫煙防止のために必要な措置を講ずるように努めなければならない

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