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店舗・内装

定期借地権で出店するメリットは?

地主を説得しやすく、建物の減価償却が可能

2007年2月13日

定期借地権制度は、1992年施行の新借地借家法で創設されたもの。借地権(普通借地権)と違い、契約の更新がないところが最大の特徴だ。

地主にとっては、改正前の普通借地権で土地を貸した場合、実際には売ってしまったのとほぼ同じで、契約期間終了後も返ってくる保証はなかった。しかし、定期借地権で貸せば、契約期間の終了時に必ず返還される。

定期借地権には、契約期間が50年以上の「一般定期借地権」(借地借家法22条)、期間30年以上で建物の譲渡により借地権が消滅する「建物譲渡特約付借地権」(同23条)、10年以上20年以下で建物用途を事業用に限定した「事業用借地権」(同24条)の3種類がある。

よく耳にする「定期借地権付き住宅」は、一般定期借地権や建物譲渡特約付借地権を利用したものだが、飲食店が一般に活用しているのは3番目の事業用借地権だ。

従来、ロードサイドなどの未利用地に出店する場合には、建設協力金方式で借家するケースが多かった。この方式は、出店者が地主に建物の建設資金を融資し、その建物を借り受けるというもので、借地ではない。ただ、借家権も法律で手厚く保護されている。このため、地主にとっては、自分でその建物を使うといった理由でも無ければ、借地契約の更新を拒否することは難しい。

契約期間後、必ずその土地を返してほしい地主にとっては、契約終了時に必ず土地が返ってくる事業用借地権方式の方が好ましいので、定期借地権で貸すことを条件にする地主が増えている。ほかにも、地主側には、事業に際して借り入れを起こす必要がなく、事業リスクを負わずにすむ利点がある。

出店側のメリットは、従来なら返還されないことを恐れて二の足を踏んでいた地主を説得して、好立地に店舗を展開しやすい点。また、建物を自分で建てるので減価償却による会計上のメリットを享受でき、原則的には改造や建て替えも自由だ。ただし、どんなに店が繁盛していようと、契約期間が過ぎたら必ず返還しなくてはならないので、事業用借地権方式か、建設協力金方式による借家かの選択は慎重に行うべきだ。

(日経レストラン編集部)