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百年の店、百年の言葉

玉木

日本の風土に合う日本人のためのフレンチを

2012年3月7日
玉木

玉木裕◎1959年生まれ。「神戸ニューポートホテル」やパリの「ラ・マレ」、割烹店「重よし」などで修業後、「グレートアイランド倶楽部」料理長に。2007年3月「玉木」をオープン。

気軽にお箸で食べられるフランス料理を考え出した料理人、玉木裕は、29歳から3年間務めた東京・原宿の老舗割烹「重よし」の影響が大きいのだろう。

この柔軟な思考の持ち主は、18歳でフランス料理の道に入った。その後、いまはない神戸の「塩屋異人館倶楽部」で知り合ったフランス人ギャルソンの紹介で、魚料理で有名なパリの老舗レストラン「ラ・マレ」で修業した。

帰国後、玉木は迷わず「重よし」に入り、日本料理の技法を学んだ。その多才ぶりを買われて千葉県のゴルフ場「グレートアイランド倶楽部」で料理長を16年務めた後、東京・広尾に「玉木」をオープンした。が、どうせやるなら銀座だと決心して銀座日航ホテルの裏に店を構えた。昨年6月のことだ。

玉木が作るメンチカツは大人気になった。材料が凄い。最高級の神戸牛を惜しみなく叩いてメンチにしてしまう。料理はシェフが選ぶ材料次第で決まる。この肉は頼めばステーキにもしてくれるし、高級ハンバーグにもなる。

わたしはまだ「玉木」が広尾にあったころからの常連でよく昼夜通ったものである。ある日、「玉木さん、レトロぽいハヤシライスを作ってみてくれる」と頼んだ。わたしは子供のころに食べたあの味が忘れられなかった。

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