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飲食ビジネス価値創造

3つの「最大化」で成長 若い世代向けに挑戦する

小路明善 アサヒビール社長

2014年6月2日

こうじ・あきよし 1951年長野生まれ。75年にアサヒビールに入社、アサヒ飲料専務などを経て、2011年7月より現職。売上高は9278億円(13年12月期)

 縮小するビール類市場において、販売数量を伸ばしています。

 飲食店に向けて、今は3つの「最大化」を実行しています。

まずは、「ブランド資産」。飲食店にいくら「スーパードライは28年目で、トップブランドです」と言っても、魅力度は高まりません。社長に就任して「スーパードライ」のエクステンション(拡張)を手がけました。例えば、黒ビール「スーパードライドライブラック」の樽生。スーパードライブランドであれば、飲食店が説明せずとも、消費者は「1杯飲んでみよう」となります。結果、ドライブラックを導入していただいた飲食店はドリンク単価が上がっています。今年発売の「スーパードライ ドライプレミアム」も同じ考えです。

次に、「付加価値」。優良酵母のみを使用する技術の確立によって、スーパードライの泡がよりクリーミーになり、雑味をなくしてキレも増しました。若い世代の嗜好に合う方向に“進化”させたのです。これまでビールを飲まなかった人たちが「試してみようか」となれば、飲食店の売り上げに貢献できます。

もちろん、スマートフォン(スマホ)などの通信料でお金がかかる若い世代に、お酒への支出を求めるのは至難の業でしょう。でも、なぜ若い世代がスマホを使うのかを考えると、糸口が見えてきます。コミュニケーションを重要視しているからです。だとすると、お酒もフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションツールになればいい。そうすれば、消費量は格段に増えるはず。だから、若い世代に向けてスーパードライを進化させる挑戦をしました。

最後が、「課題解決」。どんな大きな外食チェーンでも、街の個店でも、絶対に問題があります。我々は、お手伝いではなく、積極的にかかわっていく。外食市場が活況を呈すれば、我々の商品も売れるわけですから。

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