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飲食ビジネス価値創造

「研さん」が日本食の強み 能動的な人材を輩出していく

辻 芳樹 辻調理師専門学校校長

2014年6月30日
 辻 芳樹 辻調理師専門学校校長

つじ・よしき 1964年大阪生まれ。93年に父の辻静雄氏から跡を継ぐ。辻調グループ代表も務める。食に関する15の学校を日仏で運営、卒業生は13万2500人

 ユネスコ無形文化遺産登録もあり、「和食」が世界で広がっています。

 海外の方々は、日本食・食文化についての知識が深くなってきていると感じます。その一方で、情報を受け取った側がどのように解釈して、日本食を形にしていくかについては、ありのままを日本人が素直に受け止める必要もあります。

日本人はどうしても日本料理のあり方にこだわりがちです。しかし、それまで日本料理の味になじみがない海外の人にしてみると、味覚的にすぐには受け入れがたい側面があるのも事実なのです。

このギャップを踏まえて、日本料理の“フレームワーク”をどう守るのか。ここをすり合わせていく過程が、文化交流になっていくのではないでしょうか。

日本からの情報発信については、日本人が考える「海外の人は日本食をこう見ているだろう」という視点と、海外の人が評価している視点にズレがあるように感じています。

日本人の側にしてみると、「うま味」「ダシ」や「健康」を日本食の特徴として訴求しようとしてしまいがちです。でも、本当にそうでしょうか。海外ではトンカツやラーメン、カレーなども、日本食として認識されています。

私が考えるに、味を研さんして広く通用するレベルにまで高める技術力や深さ、この点が尊敬の対象になっています。

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