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飲食ビジネス価値創造

2020年の「吉野家」を模索 同質性に、多様性を加えたい

河村泰貴 吉野家ホールディングス社長

2015年1月19日
河村泰貴 吉野家ホールディングス社長

かわむら・やすたか 1968年大阪生まれ。93年に吉野家ディー・アンド・シー入社。はなまる社長などを経て2012年より現職。連結売上高は1734億1800万円(14年2月期)

 牛丼チェーン「吉野家」の居酒屋新業態「吉呑み」が人気です。

 「吉呑み」はうまく立ち上がりました。ただ、社内では新業態とは捉えていません。昔は「吉野家」のカウンターでビールと牛皿という使われ方が結構ありました。終電前にもう1杯とか、朝まで仕事してちょっと1杯とか。それこそ、冷酒を置いていた時代もありますから。

ところが、「最近は、こういうお客様が減ったよね」という会話が幹部同士であり、それがきっかけで生まれた業態です。「吉野家」には“ちょい呑み”という利用方法もあると知ってもらい、定着させていきたいと考えています。

「吉野家」については、この3年間で2020年代のあり方を模索していきます。もともとはカウンターだけでしたが、郊外店にはテーブル席を置いたり、女子トイレを設置したり、時代の要請に合わせて店を変えてきました。

私がやりたいのは、これから起きることへの対応です。例えば、パントリーの高さや食材の荷姿など、若年労働者を前提に仕組みを構築してきました。しかし、これからはアクティブシニアや女性が楽に働ける職場を作っていかないと勝ち残れません。この観点で店を見直します。

「吉野家」や讃岐うどんチェーン「はなまる」には1日平均500人のお客様が来店されます。いろんな人と出会えるのは、特にシニアにとって生きがいにつながるでしょう。「食」だけでなく、「職」も提供する。これは飲食業が果たすべき社会的機能だと思っています。

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