「日経レストランONLINE」は、「日経レストラン」の休刊に伴い、3月末日をもって更新を休止することになりました。長らくご支援を賜りました皆様に厚く御礼を申し上げます。

飲食ビジネス価値創造

“感情移入文化”で 業態や事業を開発する

米山 久 エー・ピーカンパニー社長

2016年1月18日
米山 久 エー・ピーカンパニー社長

よねやま・ひさし 1970年東京生まれ。2007年2月に居酒屋「塚田農場」の出店を開始。15年3月期の連結売上高は192億3500万円。直営11業態で、ライセンスと合わせて220店(15年12月5日時点)を展開

 2015年後半に、国内外で新業態を立ち上げています。

 国内でいうと、一時は出店を見合わせていた魚介居酒屋「四十八(ヨンパチ)漁場」が2014年から軌道に乗って15年は好調であることが自信になっています。エー・ピーカンパニーの強みは、お客様に「生産者の思いを伝えたい」「地域を活性化したい」「おいしい料理を提供したい」という現場スタッフの“感情移入文化”です。これまでは地鶏居酒屋「塚田農場」の成功体験しかありませんでしたが、異なる業態でも自分たちの強みが通用すると分かりました。

この強みを生かせば、いろいろな業態の可能性が出てきます。例えば、カモ。国産は数%しかなく、ほとんどが外国産で流通経路もはっきりしません。出自が明確な国産ならではのカモを味わえるようにしたいという思いから、2年前にカモの生産を手がけ、やっと15年10月にカモ料理専門店「Na Camo guro(ナ カモ グロ)」のオープンに至りました。今後は、1年間に1つは新しい業態を立ち上げていきたいと思っています。

一方、海外はマーケティングの位置づけです。10月にシンガポールでオープンした高級和牛懐石「Ushidoki(ウシドキ)」は、国産和牛のニーズ調査が主目的です。ターゲットは5年後、10年後のASEAN市場で、現段階ではきちんとした和食を伝える業態をいくつも試していきます。大事な点は、エー・ピーカンパニーが手がける意義をはっきりさせることです。「巨大マーケットがありそう。金儲けのためにやる」では、スタッフは誰もついてきませんから。中国や米国への出店も、基本的な考え方は同じです。

次のページへ

バックナンバー