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飲食ビジネス価値創造

変革とはブランドづくり 現場の士気を高めていく

神山 満 J.フロントフーズ社長

2016年2月8日
神山 満 J.フロントフーズ社長

かみやま・みつる 1973年埼玉生まれ。カジュアルダイニング「リゴレット」などを運営するHUGE(東京・渋谷)などを経て、2015年3月から現職。トンカツ店「鶴群」など35店舗を展開、15年2月期の売上高は29億円

 2015年12月から全店で寄付つきメニューの提供を開始しました。

 狙いは、現場の社員やパート・アルバイトの満足度向上です。この未曽有の人手不足の環境で、普通に評価して給与を出すだけでは、外食産業を選ぶ人は少ないだろうという危機感を持っています。最終的に会社に残るのは、「うちの会社で何が学べるのだろう」とか「うちの会社は社会のために何ができているのだろうか」などを考える人だと思います。

そこで、対象メニュー1品が出る都度、20円をアフリカの子供の学校給食に寄付するNPO法人「TABLEFOR TWO International(TFT)」の取り組みを導入しました。「食べる」という共通項があって、外食と非常に相性がいい。この活動によって、スタッフ一人ひとりが「店の料理をお客様に食べていただくことで社会貢献できている」と、自分の周りに話せるようになります。そうすれば、仕事に誇りを持つようになってくれるでしょう。

また、メニュー開発の面でも刺激になりました。百貨店にある飲食店は、歴史的に買い物に来たお客様が食べてくれればいいといった考えがあって、楽しさや新しさよりも安定に重きを置いていました。メニュー開発が皆無だったんです。

そこで、今回は内容やメニュー名まで、各店に開発を任せることにしました。本部からの指示は、「野菜を多めにするなどTFTの基準に合わせながら、適正原価内で20円を寄付できるメニュー構成にしなさい」とだけです。

店頭でTFTのメニューを訴求すれば、注文もグッと増えます。寄付に共感いただいたのか、料理に関心があったのか、潜在的なところはまだ測りきれていませんが、出数が伸びているのは確かです。今後は、春夏秋冬でメニュー開発していくことで、来店動機につなげていきます。

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