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韓国レストラン展望

異色のサムギョプサルは、日本人の注文からヒント

新村「八色サムギョプサル 本店」

2013年6月19日

サムギョプサルといえば、韓国人にとってはもとより、観光客にもなじみの深い料理のひとつだ。そのため、ソウルの町中を歩けば、サムギョプサル店と出会わない通りはない。その中でも、学生街である新村(シンチョン)はソウルでも特にサムギョプサルの激戦区である。その中でも、お客が途絶えない店舗がここにある。

この店舗は既に多くの雑誌やガイドブックにも登場しているため、観光客が多いのはもちろんのこと、それに負けず、20~30代を中心に地元の韓国人客の姿も目につく。また、韓国でトップクラスの私立大学が集中しており、韓国語を学びに来た外国人も多く、活気ある若い国際的な学生街である。このため、ここで食事している多国籍の留学生も大勢いる。

新村駅から西江(ソガン)大学の方に少し歩くと、出口からひときわ目を引く店「八色サムギョプサル 本店」が現れる。店舗は地下にあり、そこへ向かうまでには有名な芸能人のサイン、雑誌への紹介記事、韓国模範飲食店認証のムクゲマーク、ソウル市認証おいしいレストランマークがずらりと壁に貼られている。席に着く前から期待が膨らむ。

新村「八色サムギョプサル 本店」

地元客、観光客、留学生と幅広く支持を得ている「八色サムギョプサル 本店」

韓国では店舗の入れ替わりが速いが、この店はオープンして既に8年が経つ。一番人気のメニューは八色サムギョプサルセット。2~3人用で3万ウォンと他店のサムギョプサルに比べて若干割高ではある。

メーンの八色サムギョプサルはその名の通り、8種類の味付けがされた肉を一度に食べることができるセットだ。「高麗人参」「にんにく」「ワイン」「松の葉」「ハーブ(ローズマリー)」「カレー」「味噌」「コチュジャン」が楽しめる。それぞれ24時間漬け込み、味をしみこませてある。味は記載順に濃くなるので、できれば薄味のものから食するとそれぞれの味をより一層楽しめる。

実は、オープン当時はこのメニューはなかった。日本人特有の「いろいろな味を少しずつ食べたい」という要求に応えて定番化したものだ。店舗は柔軟にこのオーダーに応えた結果、今では看板メニューにまで昇格している。肉が並ぶ味付けが書かれた木のプレートは特許までとるという力の入れようだ。日本人の要求から始まったメニューだけに、日本語での説明が木のプレートに刻まれている。

8種類も味付けがあるので、焼くたびに味移りが気になる。そのときには大根を使う。テーブルに用意された大根を使い一度掃除すると、味移りを気にせずに次の肉を焼けるのだ。もちろん、スタッフが肉を焼いてもくれるので、お任せすることもできる。

新村「八色サムギョプサル 本店」

木のプレートで提供される八色サムギョプサル。味付けは「高麗人参」「にんにく」「ワイン」「松の葉」「ハーブ(ローズマリー)」「カレー」「味噌」「コチュジャン」の8種類

新村「八色サムギョプサル 本店」

一度にいろいろな味付けの肉を楽しめることができる

そして、もう一つの魅力がある。それは「海鮮味噌チゲ」。なんと、無料で出てくる。しかし、大きなエビやカニなどの海鮮がたっぷり入っており、これだけで十分に満足できる一品になっている。しかし、それで終わってはもったいない。忘れずに追加でご飯を頼もう。韓国では定番であるチゲの残り汁でポックムパプ(日本で言えばチャーハン)を作るためだ。

新村「八色サムギョプサル 本店」

無料で出てくる「海鮮味噌チゲ」

新村「八色サムギョプサル 本店」

無料「海鮮味噌チゲ」を堪能した後にご飯を追加オーダーして作るポックンパプ

座席数は38テーブルの152席。現在、同店はアメリカやオーストラリアなどに海外展開をしており、その数は10店舗にもなる。

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店舗データ

ソウル特別市 麻浦区 老姑山洞 107-111 B1F TEL 02-719-4848 ●営業時間/ 11:00~24:00 ●客単価/2万ウォン ●URL http://vatoskorea.com/

文: ソウル市PR担当、文および編集 石田のり子(Granage LLP)
日本、韓国、中国を拠点にビジネスマッチング、コンサルティング、新規事業開発サポートを行う。
連絡先:http://www.granage.com/

取材協力:I tour SEOUL(ソウル市)Webサイトはこちら