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韓国レストラン展望

「包む文化」で、キムチで刺し身さえも!

「Japanese Dinning さっぽろ(札幌)」

2013年9月18日

刺身をキムチで包んでいただく、そんな料理に衝撃を受けた。やはり「韓国は包む文化」なんだと再認識した。韓国の焼き肉は、豚の三枚肉を使ったサムギョプサルに見られるように、サンチュなどの野菜やキムチなどに包んで食べる。

日本料理店「Japanese Dinning さっぽろ(札幌)」でも、「包む文化」は変わらない。刺身をキムチやナムルで包んで食べるのだ。韓国では刺身をサンチュやエゴマの葉とコチュジャンをつけて巻いて食べさせる店もあるが、やはり面白い。

また、韓国の刺身といえば「活魚」が人気で、寿司も「活魚」が喜ばれるという。この活魚の刺身を、今回は「ムグンジ」という3年寝かせたキムチで包んで食べた。ほどよい酸っぱさがおいしい。が、日本人からすると、邪道と感じるだろう。そのため、この店舗の客のほとんどが韓国人だ。しかし、ディナーでは客単価が7万5000ウォンで、主に接待用に使われているという。

「Japanese Dinning さっぽろ(札幌)」

刺身をキムチで包んで食べる

この店は、ナムルも名物だ。今回、提供されたのは痛風に効くという「防風(パンプン)ナムル」。その正体は、漢方に使われるせり科の防風で、塩ゆでし調味料やゴマ油であえてある。4月下旬から5月上旬の20日間程度しか採取できないという貴重なナムルだ。

「Japanese Dinning さっぽろ(札幌)」

珍しい食材を使った防風(パンプン)ナムル

刺身では貝類も特徴的な珍味を提供する。韓国南部の島々で取れる「ケブル」という貝だ。見た目は少しグロテスクだが、韓国ではよく使う食材だという。日本ではユムシ(別名コウジ)という。北海道ではルッツ、和歌山ではイイ、九州ではイイマラなどとも呼ばれるらしい。こりこりとした味が韓国で人気だ。

「Japanese Dinning さっぽろ(札幌)」

刺身の盛り合わせ。手前の小鉢に入るのが「ケブル」。ほかにウニは殻にこれでもかと身を詰めた状態で提供される。海鮮が本当に豊富だ

このように、この店舗では日本食が韓国風になっているが、料理長は日本での下積みを積んだ韓国人の料理人だ。そのため、提供される料理は日本の文化を大切にしながら、韓国人が喜ぶ日本料理になっている。

「Japanese Dinning さっぽろ(札幌)」

「千寿久保田」は720mlが7万5000ウォン。日本円に換算すると7500円で、実に日本の4.5倍にもなる

ところで、昨今、韓国では日本酒やビールが人気だが、この店では「千寿久保田」が720mlでなんと7万5000ウォンで、日本円に換算すると7500円もする。高級ワインにも匹敵する価格だ。この日本料理店はビジネス客にはステイタスの1つといえるかもしれない。

メニューは、「盛り合わせスペシャル」5万5000ウォン、「刺身料理」7万5000ウォン、「ディナーコースA」4万ウォン、「ディナーコースB」3万ウォン、「週末の家族特選A」3万5000ウォン、「週末の家族特選B」2万8000ウォン、「ランチコースA」2万8000ウォン、「ランチコースB」1万8000ウォンなど。

「さっぽろ(札幌)」は韓国全土で23店舗経営しており、第1号店は1994年に仁川からスターとした。店舗名で札幌と聞くと、とあるビールメーカーを思い出すが、韓国人からすると「札幌はきれいなイメージがあり、韓国人が好きな場所でもあるから」とこの名前にしたという。この店舗はENTASグループに属し、他ブランドとして高級焼肉店「慶福宮」、中華料理「高句麗」も運営しており、全70店舗を持つ。同じビル内に店舗を構えている場合などは、希望すれば他店舗の料理を提供してもらえるなどの便宜をはかってもらうこともできるという。

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店舗データ

ソウル特別市瑞草(ソチョ)区盤浦洞(パンポドン)44-5 TEL 02-3477-5544 ●営業時間/ 11:30~22:00 ●客単価/昼2万3000ウォン、夜7万5000ウォン

文: ソウル市PR担当、文および編集 石田のり子(Granage LLP)
日本、韓国、中国を拠点にビジネスマッチング、コンサルティング、新規事業開発サポートを行う。
連絡先:http://www.granage.com/

取材協力:I tour SEOUL(ソウル市)Webサイトはこちら