「日経レストランONLINE」は、「日経レストラン」の休刊に伴い、3月末日をもって更新を休止することになりました。長らくご支援を賜りました皆様に厚く御礼を申し上げます。

雑誌「日経レストラン」今月の特集・原価率40%以上 超繁盛店の秘密

2011年12月28日

「きちんと利益を出すためには、原価率を30%前後に抑えなければならない」。こんな業界の常識が揺らぎ始めている。最近は、ドリンクを原価で飲ませる店に、三ツ星レストランと同じフォアグラをお手ごろ価格で提供する店…と、圧倒的なコストパフォーマンスの高さを売りにする繁盛店が増えている。固定観念を捨て、他店にない特徴を打ち出すことに成功した繁盛店の姿を通して、これからの時代の原価率のあり方を考えよう。

「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ」は、開業以来15年間、連日4回転の人気を維持し続けるイタリア料理店。落合務シェフ曰く、繁盛の秘訣はお客目線でコストパフォーマンスを追求することだ。

落合 務

落合 務
1947年鎌倉生まれ、東京育ち。高校中退して料理の道に入り、ホテルニューオータニでフランス料理を学ぶ。フランス旅行の帰途立ち寄ったローマでイタリア料理に開眼し、イタリアで修業。帰国後、82年「グラナータ」料理長に就任。イタリア料理ブームを牽引する。96年に退職し、97年「ラ・ベットラ」を開く。2012年現在、レストランを4店舗経営、今年夏には富山店をオープン予定。プロデュース店舗・著書多数。

――1997年の開業以来、予約がとれない店と評判で、開店前には今も店の前に人だかりができています。人気の秘密は何だと思いますか?

うちは、ディナーだと3990円で前菜、パスタ、メインが選べるプリフィクスコース1本のみと、コースだけでアラカルトがない。それだけに「あそこのコースを食べてもお腹いっぱいにならなかった」と言われないよう、量には気を付けているよ。今はコンビニに行けば400~500円で満腹になる時代。わざわざ1~2カ月も前から予約して3990円を払って食べてもらうわけだから、満腹にならないとよくないと思うんだよ。

プリフィクスをうたう以上、どの料理を選んでも料金は変えない姿勢も大切にしている。この料理を選ぶとプラス800円などと書いている店があるけど、プリフィクスなのに料理によって値段を変えるのはお客様に対する裏切りだと思う。だからうちでは、何を選んでも3990円。その点は共感いただけていると思うよ。

NEXT:開店してから15年間値上げしていない

次のページへ
日経レストランONLINE トップへ