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中国調味料の実力

2007年10月25日

豊かな食材と調味料を駆使し、さまざまな味わいを見せ、外食の世界でも根強い人気を誇る中国料理。しかしながら、専門外の料理人たちにとって、この種類豊富な調味料を使いこなすのはなかなか難しい。そこで、今回は多くの料理人を育てた、服部栄養専門学校の中国料理主席教授の斎藤昭彦先生の協力・監修のもと、中国料理の調味料とスパイスの特徴とその可能性について探ってみた。

近年、日本の中国料理は大きな変貌を遂げている。これは、中国の経済の変化などの影響にともない、流通状態が良くなったことから、それまでなかなか手に入らなかったさまざまな調味料が、日本にいても簡単に入手できるようになったことが大きいといえるだろう。少し前までは中国食材専門店でしか買うことができなかったXO醤や沙茶醤(シャアチャアジャン)も、今では普通にスーパーに並び、料理人でなくとも手に取ることができるほどの市民権を得ているのだ。

これらの中国調味料が広まったことにともない、中国料理における四大料理(北京・上海・広東・四川)のボーダーレス化が始まっている。例えば、四川の代表的なメニューであるエビのチリソース煮や麻婆豆腐は、今や北京料理店でも広東料理店でも“北京風”“広東風”という冠をつけた形でメニューブックにその名前が載っている。見た目はもちろんエビチリや麻婆豆腐。しかしながら、口にしてみればどことなく北京や広東の味がする。そんなアレンジされた中国料理が、日本の中国料理の主流となっていると言っても過言ではないだろう。

もともと中国料理の調味は、さまざまなスパイス、油、調味料を複合した複雑な形で形成されるため、比較的新しい調味料を取り入れやすく、アレンジがしやすいというのが大きな特徴だ。そのため、他の地方料理の材料や調味料、メニューであっても、自分たちの個性を生かしつつ、アレンジを加えて新しい料理として発展を遂げることが可能なのだ。

このアレンジ主流の中国料理の現状から、中国調味料の使い方のヒントが見えてくる。キーワードは「他の調味料との融合」。少しずつ他の調味料と組み合わせることで、中国風の個性を出しつつ、自店のラインナップに合ったメニューを提供することができるのだ。そこで今回は、主な中国調味料とスパイスの特徴と効果的な使い方について学び、アレンジのヒントを探っていきたい。

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