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食中毒を防ぐ衛生管理

2007年7月13日

食中毒事故が多発する季節が近づいてきた。飲食店にとって、食中毒は命取りになりかねない事故。相手は目に見えない菌やウイルスなので対応が難しいが、唯一、誰にでもできるのが手洗いの徹底と、厨房内やホールを常にきれいに保つことだ。「汚れ」は菌やウイルスを繁殖させる「温床」だ。まず、目に見えるところをきれいにする。これだけで事故を起こす危険性は、飛躍的に低下するのだ。清掃や手洗いのポイントをまとめたので、まずはできるところからはじめよう。

【Contents】
食中毒事故の対策は3原則から4原則に
なぜ「手洗い30秒」が必要かやってみせ、定着させよう
手洗いのタイミングを確認し、そのつど洗う習慣をつける
清掃レベルの高さと繁盛度は比例する
ホール
1.窓ガラスとブラインド 2.観葉植物の葉 3.照明器具のシェード(かさ) 4.テーブルの裏 5.いすの背もたれと座面の境 6.カスターセット(調味料入れ) 7.店内のコンセント 8.ブッフェのトングなど
厨房
1.洗剤や調味料ボトルの底 2.包丁の柄や刻印 3.まな板の傷 4.スポンジや台布巾 5.冷蔵庫の取っ手 6.アルコール噴霧器の取っ手 7.衛生手袋の取り出し口 8.天井の結露


食中毒事故の発生件数と患者数を見ると、患者数で冬の時期にもピークがある。これは、1件あたり患者が多いノロウイルスの事故が冬の時期に集中するためで、発生件数としてはやはり梅雨時から秋口に掛けての事故が多い。高温・多湿という、細菌の繁殖に適した環境になってしまうこと、暑さで食べる側の体力が落ちていることが大きな理由だ。

食中毒事故の対策は
3原則から4原則に

これまで、食中毒事故の予防策として「付けない」「増やさない」「殺す」の3原則がうたわれてきた。食材に付いた菌などが、調理器具や調理人の手指などを介して汚染を広げないようにする「付けない」、食材や調理済み食品の温度管理をきちんとすることで、菌などの増殖を防ぐ「増やさない」、十分な加熱をすることで菌などを「殺す」ことが大原則であることは間違いない。

ただ、食品衛生関係者や調理従事者の間では、これに「持ち込まない」を加えようという動きが出てきている。体調の悪い人には調理に従事させない、段ボールや土の付いた野菜などは厨房に持ち込まないといったことで、危険を未然に防ごうというものだ。

大手ホテルの食材搬入口などでは、納品に来た業者が白衣に着替え、決められたストックヤードに入れ、そこで段ボール箱から商品をプラスチックケースなどに入れ替え、段ボールを持ち帰るといった光景が一般的になってきている。

汚染区域と清浄区域の床を色分けし、食材が汚染区域から清浄区域へと移動し、逆行しないような流れを作るなど、「持ち込まない」ことに対する配慮は格段に増している。厨房が狭い飲食店では無理な面も多いが、このような考え方を取り入れる工夫が必要だ。

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