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特別緊急インタビュー・小泉光臣 日本たばこ産業副社長

2010年4月5日

居酒屋で一杯やりながら一服──。こんな愛煙家にとっての至福のひとときに待ったをかける動きが起きている。まだ法的に全面禁煙を強制されたわけではないが、飲食店の売り上げに多大な影響を与えかねないだけに、無視できない潮流だ。はたしてすべての飲食店でたばこを吸えなくなってしまうのか。日本たばこ産業(JT)の小泉光臣副社長に、今後の行方を聞いた。

(聞き手は本誌元編集長、高柳正盛)

小泉光臣(こいずみ・みつおみ)氏 日本たばこ産業副社長 たばこ事業本部長1957年神奈川県生まれ。81年東京大学経済学部卒業後、日本専売公社入社。2001年本社経営企画部長。その後、執行役員たばこ事業本部事業企画室長、常務執行役員たばこ事業本部事業企画室長などを経て、2007年7月取締役常務執行役員たばこ事業本部マーケティング&セールス責任者に。2009年6月より現職

2月25日、飲食店の売り上げに多大な影響を及ぼしそうな通知が全国の自治体に出された。厚生労働省が健康局長通知として、受動喫煙の防止対策のため、つまり他人が吸うたばこの煙を吸わされることを防ぐため、多くの人が利用する公共的な空間においては、原則として全面禁煙であるべきと伝えたのだ。
「公共的な空間」の中には飲食店も含まれる。もし、飲食店における全面禁煙が法的に強制されれば、現在喫煙者を受け入れている飲食店は、多かれ少なかれ、業績に影響を受けることを免れないだろう。
しかし、今回の通知をよく読むと、即刻全面禁煙にしろと強制しているわけではない。はたして、飲食店における喫煙、禁煙、分煙の潮流はどこに向かうのか。

──今回の健康局長通知をどう捉えていますか。

小泉 一部報道で「全面禁煙」という文字が大きく取り上げられたので、もはやすべてが禁煙になってしまうと思われた人がいるかもしれません。しかし、通知をよく読むと「多数の者が利用する公共的な空間においては全面禁煙であるべきである」とする一方で、「全面禁煙が極めて困難な場所等においては、当面、施設の態様や利用者のニーズに応じた適切な受動喫煙防止対策を進めることとする」とも記されています。現実に十分配慮された内容であり、JTとしても歓迎しています。

──確かに、今回の通知は法的に禁煙を強制するものではありません。しかし、こうした通知が厚労省から出されたり、4月1日から神奈川県で受動喫煙防止条例が施行されたりしたこともあって、多くの飲食店経営者からは「もはや店も禁煙にしなければならないのだろう」「もう分煙を検討しても無駄なのか」といった声が聞かれます。

小泉 実は、今回の通知が出たとき、JT社員からも私のところに「飲食店やホテルなども含めた、すべての公共的な場が全面禁煙になるのか」「いったいどういうことなのか教えてほしい」という問い合わせが数件入りました。それで「法律で全面禁煙と決められたわけではない。冷静になれ」と言い聞かせました。

NEXT:中には「努力義務では生ぬるい、法律で全面禁煙にしてしまえ」といった意見も

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